海外FXの手数料|スプレッド・スワップ・入出金手数料・口座維持手数料を調査し比較

海外FXの手数料に関する解説記事です。

海外FXでは、スプレッドとスワップは、どの業者でも発生しますが、口座タイプや入出金方法によって他の手数料が発生する場合もあります

この記事では、海外FXの取引で発生する手数料や、入出金・口座維持にかかる手数料を解説しつつ、業者間の手数料比較も掲載しています。

海外FXの手数料は6種類

海外FXで発生する手数料は6種類

海外FXでは、主に6種類の手数料が発生します。

手数料は取引内外で発生し、取引時は「スプレッド・ECN手数料・スワップ」、取引外では「入金手数料・出金手数料・口座維持手数料」が必要になります。

▼海外FXの主な手数料
手数料 概要
スプレッド 「買値(Ask)と売値(Bid)」の価格差
エントリー時に損益へ反映
ECN手数料 ECN取引で発生する手数料で、
スプレッドとは別に徴収
ECN口座でのみ発生
スワップ
ポイント
通貨ペアの金利差によって
発生する損益
日跨ぎでポジションを
保有していると発生
入金手数料 入金時に発生する手数料
出金手数料 出金時に発生する手数料
口座維持
手数料
取引口座を維持する為に
発生する手数料

海外FXで取引時に発生する手数料

海外FXの取引に発生する手数料はスプレッド・ECN手数料・スワップポイントの3種類

海外FXで取引を行う際に発生する手数料は、スプレッド・ECN手数料・スワップの3種類です。

各取引手数料へジャンプ

スプレッドは取引毎に発生する手数料

実際のスプレッド画面

スプレッドとは、「買値(Ask)」と「売値(Bid)」の価格差で、注文を入れる度に発生する手数料です

海外FXのスプレッドは、基本的に変動制ですが、固定スプレッドを採用している業者もあります

スプレッドは注文直後に含み損として反映される為、注文時点の損益はマイナスからスタートします。

海外FXのスプレッドの単位はpipsとpoint

スプレッドは、FX通貨ペアの場合はpips、CFDの場合はpointで表され、一般的に海外FXの場合、1pip=10pointとなります。

MT4/MT5上は、通貨ペアも含めて、全てpoint表示ですが、pointを1/10した数値がpipsになると覚えておけば簡単にスプレッドの値を求められます。

pipとpointの関係

スプレッドのpipsとpointの関係は、FX業者が小数点を何桁まで採用しているかによって異なります

小数点以下が2桁/4桁のFX業者では、1pip=1pointとなり、小数点以下が3桁/5桁のFX業者では、1pip=10pointとなります。

海外FXでは、円を含む通貨ペアで小数点以下3桁、円を含まない通貨ペアで小数点以下5桁を採用している為、1pip=10pointとなるのが一般的です。

スプレッドの値はFX業者によって違う

まず、チャートに表示される為替レートは、FX業者がLP(リクイディティプロバイダー)と呼ばれるレート配信元から取得しているものです。

どのLPに接続するかや、接続しているLPの数によって、トレーダーに提供できるレートが変わるので、スプレッドの値も業者によって異なります

なお、同一業者内でも、口座タイプによって、スプレッドの値は様々です。

どんな口座タイプがある?

海外FXでは、取引の目的やトレーダーのスタイルに合わせて、口座種類を選べるように、複数の口座タイプが提供されています。

▼代表的な口座タイプの例
口座タイプ 概要
スタンダード
(標準口座)
最も標準的な口座で、スプレッドはやや広めの設定
ボーナス有りの業者の場合、全ボーナスを利用可能
プロ
(プロトレーダー向け口座)
スプレッドは狭いが、大抵の場合はボーナスの対象外
業者によっては、最低入金額を高く設定している
ミニ
(セント口座)
取引単位が小さい口座
1Lot1,000通貨の業者が多い
ECN方式の取引口座 スプレッドが0pip~と狭い
スプレッドと別に、別途取引手数料(ECN手数料)が発生する
POINT

全ての業者でECN口座やミニ口座、プロ口座が提供されている訳ではありません。

海外FX業者のスプレッドを比較

海外FX業者5社の標準的な口座の平均スプレッドを比較して一覧表にまとめました。

今回の比較では、例えばUSDJPYを見ると最も狭いThreeTraderは0.7pipsであるのに対し、最も広いXMは2.5pipsと3倍ほどの広さです。

同じ銘柄を1回取引するだけでもこれだけ差が出るので、頻繁に取引をする人ほどスプレッドに注意して業者選びをする必要があります。

▼業者別スプレッド比較
業者
(口座名)
スプレッド(pips)
USD
JPY
EUR
USD
GOLD BTC
USD
XM
(スタンダード)
Exness
(スタンダード)
XS
(スタンダード)
Three Trader
(Pureスプレッド)
男性講師2

スプレッドが広めな業者はボーナスを提供していることが多く、ボーナスを加味すると実際のコストはそこまで差がないこともありますよ。


ECN手数料はECN口座でのみ発生する手数料

ECN手数料はECN口座にだけ発生する手数料

海外FXの口座には、STP口座とECN口座があり、ECN口座のみ発生する手数料をECN手数料と言います。

ECN口座は、取引毎にスプレッドとは別にECN手数料が発生するので、STP口座よりスプレッドが狭めの設定になっています。

女性講師2

ECN手数料は、注文すると即座に損益に反映されますが、口座残高に反映されるのは決済後です。

STP口座とECN口座の違いは?

STPは、トレーダーの注文をFX業者がカバー先のLPとマッチングさせる方式で、ECNは、注文がFX業者を経由せずにインターバンクへ流れる方式です。

ECN口座の方が取引コストが安く、取引の透明性が高い反面、多くの業者ではSTP方式より最大レバレッジが低かったり、ボーナスが利用できないなどのデメリットがあります。

▼STPとECNの違い
注文方式 STPとECNの違い
STP ECN
注文の流れ トレーダーの注文を
FX業者がLPと
マッチングさせる
トレーダーの注文が
直接、電子取引所に流れる
約定力 取引量が少ない時間帯でも、
小ロットの場合は、約定力が落ちない
取引量が多い時間帯に限っては、
大ロットでも約定力が高い
取引コスト ECNの方が安くなる傾向
レバレッジ ECN口座はSTP口座より
低い場合がある
ボーナス 対象 基本的に対象外

ECN手数料は業者によって金額が違う

ECN手数料は、各FX業者が独自に設定しているので、業者毎に金額が異なります

業者によって表記が異なり、大抵の場合は「1Lot往復につき〇〇ドル」や「片道〇$/Lot」のように表示されます。

なお、表記こそ異なるもののどの業者でも必ず往復分の手数料が発生します。

往復・片道って何?

まずFX取引は、注文と決済の1セットで、1回の取引が完了します。

注文だけした場合を片道取引と呼び、注文してから決済まで行った場合は、往復取引と呼ばれます。

ECN手数料は、注文・決済時にそれぞれ発生するので、ECN手数料が往復10ドルだった場合、厳密には、注文時に5ドル、決済時に5ドルの手数料が発生しています。

つまり、「片道5ドル」のECN手数料は、「往復10ドル」と同義です。

海外FX業者のECN手数料を比較

海外FX業者5社のECN手数料を一覧表にまとめました。

比較した中では、Exnessゼロ口座のECN手数料が最も安いですが、ExnessのECN口座はロースプレッド口座も含め、最低入金額が3,000USDと高めの設定になっています。

また、手数料が他FX業者より安い代わりにスプレッドがやや広め、という場合もあるので、ECN手数料だけでなく、スプレッドも比較した上でどの業者を利用するか判断するのが良いです。

▼業者別ECN手数料の比較
業者 ECN口座名 ECN手数料
XM ゼロ口座 往復10通貨/Lot
GOLD・SILVERは個別設定
Exness ロースプレッド 最大$7/Lot
ゼロ口座 $0.4~
FXGT ECN口座 最大$6/Lot
HFM ゼロ口座 $6/Lot
BigBoss プロスプレッド $9/Lot
※ECN手数料は往復手数料

スワップは日を跨いでポジションを保有すると発生する手数料

XM-スワップポイントの仕組み

スワップポイントとは、二国間の通貨金利の差額により発生する損益です。

スワップには、プラススワップとマイナススワップがあり、マイナスだと手数料として徴収されますが、プラスの場合は、利益として受け取れます。

ポジションを持ったまま日を跨ぐと、スワップポイントと保有量に応じた手数料が損益に加算され、決済時に口座残高に反映されます。

スワップポイントは3倍になる日がある

土日は市場が休みでスワップが発生しない為、代わりに別の曜日に土日分を含めた3倍のスワップが発生します。

例えば、ドル円の買スワップが12USD、売スワップが-25USDの場合、スワップが3倍になる日には、買36USD、売-75USDのスワップが付きます。

なお、スワップが3倍になる曜日は、業者や取引銘柄によって異なりますが、多くの業者では水曜日(木曜日早朝)に設定しています。

海外FXのスワップは全て変動スワップ

国内FXの場合は、固定スワップのオプションがありますが、海外FXでは全て変動スワップとなっています

通貨の金利変動に伴いスワップポイントも上下し、変動するタイミングも一定ではないので、取引前に一度確認する方が良いです。

海外FX業者のスワップポイントを比較

海外FX業者5社のスワップポイントを一覧表にまとめて比較しました。

XMやExnessはスワップフリーで取引できる銘柄もあるので、スワップ狙いのトレードでなければスワップフリーの業者を利用する方が、余計なコストを気にせず取引できます。

▼業者別スワップ比較
業者 USDJPY EURUSD GOLD
XM 11.16 -37.34 -8.13 1.77 -48.45 19.67
Exness 0 -33 -6.7 0 -37.76 0
XS 11.08 -33.1 -8.03 2.6 -48.83 5.12
BigBoss 11.76 -29.02 -6.9 1.13 -30.62 20.11
2024年7月1日のデータ、単位はpoint、は最も優れた値

海外FXで入金や出金時に発生する手数料

入出金は大抵の場合手数料無料

海外FXでは様々な入出金方法を提供していますが、方法によって手数料が異なります。

全ての入出金方法を手数料無料で利用できる業者もあれば、入出金方法によって手数料の金額が変わる業者もあり、手数料の金額は業者によってもまちまちです。

入金時に発生する手数料

クレジットカード/デビットカードや電子ウォレットで入金する場合は、どのFX業者でも、共通して手数料無料となっています。

一方、銀行送金や仮想通貨で入金する場合は、FX業者側が手数料を設定していなくても、送金元で手数料が発生する場合があります

なお、電子ウォレットから海外FXへの入金は手数料無料ですが、電子ウォレット自体への入金手数料は、自己負担となります。

▼業者別入金方法と入金手数料の例
業者 入金手数料
銀行送金 クレジット
/デビットカード
電子
ウォレット
仮想
通貨
コンビニ
払い
XM 1万円未満の
入金は880円
無料 280円
Exness 無料
FXGT 無料
HFM 無料
BigBoss 5万円以下の
入金は1,000円
無料
「ー」は取り扱い無し
男性講師2

最近では複数のオンラインウォレットを提供したり、Apple Payでの入金に対応する業者も増えています。


出金時に発生する手数料

クレジット/デビットカードで出金する場合は、どのFX業者でも、共通して手数料無料となっています。

ただし、カードへの出金はカードで入金した金額までしかできないので、利益分はその他の方法を選択する必要があります。

また、銀行送金や仮想通貨で出金する場合は、FX業者側が手数料を設定していなくても、受取側で手数料が発生する場合があります

▼業者別出金方法と出金手数料の一覧
業者 出金手数料
銀行送金 クレジット
/デビットカード
電子
ウォレット
仮想
通貨
XM 40万円未満の
出金は2,500円
無料
Exness 無料
FXGT 無料
HFM 無料
BigBoss 2,000円 無料
「ー」は取り扱い無し
男性講師2

オンラインウォレットは業者によって手数料の金額が全然違うので、手数料は事前に確認しましょう。


海外FXで口座維持にかかる手数料

海外FXの手数料 - 口座を一定期間放置すると口座維持手数料が発生する

多くの海外FX業者で、口座を一定期間使用しないと、口座を維持する為の手数料が発生します

口座維持手数料は、口座残高から毎月一定額差し引かれ、残高が手数料を下回ると口座凍結になります。

口座維持手数料の発生条件と金額

口座維持手数料の発生条件や金額は、FX業者によって異なります

長い業者だと3~4カ月使用しないでも手数料が発生しませんが、1ヵ月使用しないだけで手数料が発生する業者もあるので、利用前に確認しておきましょう。

▼口座維持手数料の発生条件と金額一覧
業者 口座維持手数料
発生条件 金額
XM 90日以上入出金や
取引がない場合
毎月10ドル
Exness なし
FXGT 90日以上
取引がない場合
毎月10ドル
HFM 90日以上
取引がない場合
毎月5ドル
BigBoss 120日以上入金や
取引がない場合
毎月5ドル
男性講師2

口座内のボーナスやポイントは、口座が休眠状態になった時点で消滅するので、口座維持手数料の支払いには使用できません。


海外FXで発生するその他のコスト

ここでは、厳密に言うと手数料ではありませんが、海外FXで取引するにあたり、コストとして発生する可能性があるものを紹介します。

  • 資金移動時の両替手数料
  • スリッページでの差額
  • 税金

資金移動時に両替手数料が発生する場合がある

海外FXでは、口座間の資金移動自体は手数料が発生しませんが、基本通貨がそれぞれ異なる場合は、資金移動時に為替手数料が発生する場合があります。

為替手数料が発生するかどうかは業者によって異なり、例えばXMではECB(欧州中央銀行)のレートに基づき、0.3%の手数料が残高から引き落とされます。

もし基本通貨を分けて複数口座を開設している場合は、資金移動前に各FX業者のHPやサポートへ確認してみましょう。


スリッページでの差額

スリッページとは、注文レートと約定レートの差を指す用語で、決済注文から約定までの僅かな時間の値動きによって発生します。

僅かな時間差でも、狙った価格で決済できなかった場合、不利なレートで約定することになるので、スリッページも取引における必要経費と考えられます。


利益にかかる税金

海外FXで利益を出した場合は、税金を払う必要がありますが、納税義務が発生するのは、FXでの利益も含め、給与以外の所得が一定額を超えた場合です。

税金は、給与取得者か非給与所得者かによって、控除額が違うので、海外FXでいくら利益を出せば、納税義務が発生するかも異なります。

▼所得額による納税義務の有無
給与形態 給与以外の年間所得額(円)
20万以下 20万以上 48万以上
給与所得者 不要 必要 必要
非給与所得者 不要 不要 必要
※年間所得=年間収入-必要経費

海外FXの手数料に関してよくある質問(FAQ)

FAQアイキャッチ

海外FXの手数料には何がありますか?

海外FXの手数料には、取引上の手数料として「スプレッド・ECN手数料・スワップ」があり、取引外の手数料として「入出金・口座維持」にかかる手数料があります。

海外FXの手数料は経費として計上できますか?

海外FXの手数料は経費として計上できません。経費として認められるのは、FX取引をするにあたり購入したパソコンや周辺機器、光熱費、通信費などです。

海外FXの手数料は高いですか?

海外FXでは、取引に発生する手数料(スプレッド)が、国内証券より高めになっています。

手数料が安い海外FX業者はどこですか?

取引にかかる手数料ならThreeTraderやExnessが安くなっています。また取引外での手数料ならXMやFXGT等も安価に設定されています。