「トルコリラ取引の計算方法が知りたい」
「トルコリラのスプレッドやスワップは?」
「XMトルコリラ取引の方法や手順が知りたい」
スワップポイントは特に業者の色がよく出るので、スワップ狙いの取引なら、その銘柄に力を入れている業者を選定する必要があります。
トルコリラでスワップポイント狙いの長期ホールド取引をするなら、XMが一番おすすめです。
本記事では、XMでトルコリラを取引する場合のスプレッドやスワップ、レバレッジはもちろん、取引手順もまとめています。
そもそもトルコリラとは?
トルコリラとは、中東とヨーロッパの間に位置するトルコ共和国の法定通貨です。
長期的なトルコリラ安が継続中だけどスワップ益がある
トルコリラのチャートを見みると、ずっと右肩上がりなので、トルコ経済も右肩上がりかと思いきや、実はその逆。
FXでは、通貨ペアの左側通貨に対して右側通貨の価値を見るので、つまり、長期的なトルコリラ安が継続中なのです。
そのため、トルコ中央銀行は、トルコリラの価値を維持するため、高金利政策をとっています。
XMのトルコリラの取引条件や注意点
では、XMでトルコリラ取引をする際の取引仕様や注意点を見ていきましょう。
トルコリラの各仕様や注意点は以下のボタンから飛べます。
ドルトルコリラとユーロトルコリラの2種類ある
XMでは、ドルトルコリラ(USDTRY)とユーロトルコリラ(EURTRY)の2種類を取り扱っています。
USDTRYとEURTRYは異なる銘柄なので、取引仕様が違います。
▼トルコリラの取引仕様
USDTRY | EURTRY | ||
---|---|---|---|
レバレッジ | 100倍 | ||
最小Lot | 0.01Lot | ||
最大Lot | 50Lot | ||
1Lotの単位 | 10万通貨 | ||
スワップ | 買 | -19,561円 | -21,909円 |
売 | 2,291円 | 3,860円 | |
平均 スプレッド | Standard:716.4 KIWAMI:716.4 zero:604.4 | Standard:1,196 KIWAMI:1,136.8 zero:1,013.2 | |
取引時間 | 24時間 | 土日祝・メンテナンス時間を除く||
通貨ペア名 | ドルトルコリラ | ユーロトルコリラ |
参考レートは2024年12月3日
対ユーロはスワップが大きく、対ドルは流動性の高さからスプレッドが狭くなっていますね。
トルコリラ円(TRYJPY)はない
国内FX業者では、スワップ狙いのユーザー向けに「トルコリラ円(TRYJPY)」の通貨ペアを用意していますが、XMにはトルコリラ円がありません。
ただ、トルコリラは、対円でも、基本的に対ドルや対ユーロと同じ値動きをするので、どれを取引しても問題ないでしょう。
スワップポイントの計算や調べ方
スワップポイントは、正確に言うと各FX会社の手数料なども乗っているのですが、基本は各国の金利差を元に計算されています。
スワップによる損益の計算式は以下の通りです。
スワップポイント × 取引量(ロット) × 取引日数 = スワップ損益
EURTRY2Lotを1日持ち越した場合
- 買:-5,080.87×2×1=-10,161.74TRY
円換算して約-43,833円 - 売:895.13×2×1=1,790.26TRY
円換算して約7,722円
USDTRYを1Lotを5日持ち越した場合
- 買:-4536.51×1×5=-22,682.55TRY
円換算して約-97,841円 - 売:531.39×1×5=2,656.95TRY
円換算して約11,461円
参考レートは2024年12月3日
XMのスワップは、固定ではないので、最新のスワップポイントはXM公式サイトで確認してください。
スワップポイント表の見方
通貨ペア表を下にスクロールしていくと、EURTRYとUSDTRYの通貨ペアを見つけることができます。
表の横軸の真ん中あたりに表示されているのが前日のスワップポイントです。
スワップポイントは現地通貨で記載されているので、日本円建て口座で取引している場合は、日本円に換算する必要があります。
XMのスワップ計算機を使えば、日本円への換算もしてくれるのでおすすめです。
スワップポイントが付与される時間帯
スワップポイントが付与されるのは、日本時間早朝のメンテナンス時間です。
なお、冬時間と夏時間とでは、メンテナンスタイムが1時間変わります。
- 冬時間・・・朝7:00~8:00
- 夏時間・・・朝6:00~7:00
マイナススワップが付くポジションを日跨ぎで保有する場合は、上記の時間までに決済しておいた方が安全ですね。
スワップ3倍デーに注意
XMでは、土日はスワップポイントが発生しませんが、水曜日(木曜日早朝)に土日分も含め3倍のスワップポイントがつきます。
マイナススワップのポジションを木曜日まで持ち越してしまった場合は、スワップポイントで利益が大きく削られることもあります。
逆にプラススワップの場合は水曜日にエントリーすれば、1日で3日分のスワップ益を狙うことも可能です。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1日分 | 1日分 | 3日分 | 1日分 | 1日分 | 無し | 無し |
スワップポイントのみの出金はできない
国内FX業者では、スワップポイントのみの出金ができる業者もありますが、XMでは、スワップポイントのみの出金はできません。
スワップポイントが実際に付与されるのは「決済したタイミング」なので、貯まったスワップを出金したい時は、一度決済してスワップポイントを利益として確定させる必要があります。
トルコリラの最大レバレッジは?
XMのトルコリラ通貨ペアの最大レバレッジは100倍です。
トルコリラは、ボラティリティが高く、過去の記録から暴落の危険性もあるので、XMではレバレッジを100倍に設定しています。
そのため、他の通貨ペアに比べてより多くの証拠金が必要です。
▼TRYの最大レバレッジと1Lotの証拠金目安
銘柄 | 最大 レバレッジ | 必要証拠金 目安 |
---|---|---|
EURTRY | 100倍 | 157,440円 |
USDTRY | 149,904円 |
参考レートは2024年12月3日
XMのトルコリラは、最小Lotが0.01なので、必要証拠金約1,500円から取引できます。
トルコリラ取引の証拠金計算方法
トルコリラの取引の証拠金計算方法は以下の通りです。
現在価格 × 取引通貨量 ÷ レバレッジ = 必要証拠金額
クロス円の通貨ペアではないので、これで導き出される証拠金額はトルコリラになります。
そのため、トルコリラ→日本円に換算する必要があります。
必要証拠金の計算例
EURTRYの現在価格が37.29977で3ロット(30万通貨)取引する場合
- 36.46419 × 30万 ÷ 100
= 109,393TRY
111,899.31tryを円換算すると必要証拠金は約47.2万円です。
(参考レートは2024年12月3日)
最新の必要証拠金を調べるには、XMの証拠金計算機が便利です。現在のレートで、日本円にも換算してくれるのでおすすめです。
トルコリラのスプレッドは?
スプレッドとは、売値と買値の差のことを指し、この価格差が取引にかかる手数料となります。
通常、ドル円などの流動性の高い通貨ペアであれば、1.7pip~1.8pip程度ですがトルコリラは流動性が低いため、スプレッドも広く設定されています。
トルコリラのスプレッドを計算する方法
トルコリラのスプレッドがいくらになるかは、スプレッド(point)に取引通貨量を掛けて算出します。
スプレッド × 取引量 = 取引コスト
EURTRYのスプレッドが3,818pointのとき1ロット(10万通貨)取引した場合の取引コスト
3,818 × 10万 = 3,818try /lot
3,818tryを日本円に換算して、
20,806円/lotが取引コストとなります。
USDTRYのスプレッドが3,683pointのとき1ロット(10万通貨)取引した場合の取引コスト
3,683point × 10万 = 3,683try/lot
3,683tryを日本円に換算して、
20,074円/lotが取引コストになります。
他の通貨ペアの取引コストが1ロットあたり、1500~2500円程度であることを考えると、取引コストは高めですね。
上記の取引コストは10万通貨取引でかかる取引コストです。XMでは、0.01ロット(1000通貨)からも取引可能なので、その場合の取引コストは上記の金額の100分の1になります。
XMのトルコリラの取引例
取引の注意点をチェックしたところで、実際にXMでトルコリラにエントリーをしてみましょう。
今回はスワップポイントに焦点をあてるので、スワップの高いEURTRY(ユーロトルコリラ)のデモトレードをしようと思います。
売り買いポジションのスワップを比較するために、デモ口座で両建てポジションをとってみました。
両建てのエントリー位置と現在値
取引をした時期、EURTRYではユーロ高リラ安傾向があり、売りでエントリーするのはトレンドに逆らうエントリーになります。(これはUSDTRYでも同じです。)
エントリーポイントを決め、両建てにして3日後のポジションの損益を比較してみます。
ユーロトルコリラ売りの場合
▲ 上の画像はユーロトルコリラの売りで1lotエントリーして3日経過した画像です。
最初は調子よくユーロが下がってくれたのですが、週明け、結局ユーロ高トルコリラ安でマイナスの結果に。
スワップ益はあるのですが、為替差損がかなり大きく、大きなマイナスとなってしまいました。
ユーロトルコリラ買いの場合
▲ 上の画像はユーロトルコリラ買いで1lotエントリーして3日経過した画像です。
為替差益を得ていますが、同時にスワップ損が3日分発生しています。決済した際にスワップ損は利益から引かれることになります。
両建て取引の場合、為替差損は発生しませんが、ユーロトルコリラのスプレッドは広いため、結果的にはスプレッド分で大きなマイナスになってしまいましたね。
基本的に、スワップ狙いの取引というのは、レンジ相場の時に効果を発揮しやすいと言われています。
レート差が限定されていれば、スワップ狙いの取引にも若干の利があるでしょう。
しかし、今回のデモトレードの場合、エントリーした時期は、トルコリラ安のトレンドが強く出ている時期で、スワップ益が出ても、為替差損でトータルで大きなマイナスになってしまい、思ったような利益は得られませんでした。
XMのトルコリラを取引するためのMT4設定手順
さて、ここからは実際にXMでトルコリラを取引するための設定手順を説明していきます。
以下の3つの手順を順番に解説していきます。
- XMの口座開設
- MT4/MT5のダウンロード
- MT4/MT5のトルコリラ通貨ペア
チャートの表示
手順1.XMで口座開設
まずは、XMでの口座開設についてお伝えしますね。
口座開設作業は、すべてWEB上で5分ほどで完結します。書類等を郵送する必要はありません。
まずは、こちらのボタンから公式サイトに進んでください。
個人情報を記入したのちに、XMでは口座タイプの選択・取引プラットフォームの選択・口座基本通貨の選択・レバレッジの選択をする必要があります。
- 取引プラットフォームの選択
MT4とMT5のどちらかを選択。基本操作方法はどちらも同じで、おすすめはMT4です。 - 口座タイプの選択
トルコリラは、スタンダード口座、マイクロ口座、KIWAMI極口座、ゼロ口座すべての口座で取引可能です。 - 基本通貨の選択
円、ドル、ユーロから選択。どれを選んでも問題ありませんが、USDTRYなら「円かドル」、EURTRYなら「円かユーロ」がおすすめです。 - レバレッジの選択
トルコリラの最大レバレッジは100倍なので、レバレッジ100倍以上を選択すれば、最大レバレッジで取引可能になります。
どうしてMT4がおススメなの?
MT4にするか、MT5にするか? 迷う方も大勢いらっしゃいますが、現時点でのオススメはMT4です。
MT5はメタトレーダーの最新バージョンですが、MT4に比べて、WEB上での情報が少ないからです。
MT4なら、トラブル時にWEB上ですぐに対処法を見つけることもできるでしょう。
MT5は、WEB上での情報が増えてくるのを待ってから、乗り換えても遅くはないと思います。
書類をアップロードし、認証されれば、即取引可能になります。 平日の営業時間中であれば、すべての手続きは1時間程度で完了すると思います。
手順2.XMのMT4/MT5/XMTradingアプリをダウンロード
XMで取引するには、MT4・MT5・XMTradingアプリ等の取引プラットフォームをダウンロードし、インストールする必要があります。
▼「XMアプリ」と「MT4/5」タブで切り替え▼
App Storeまたは、Google Playのボタンをタップすると、各ストアに飛ぶので、ダウンロードしてください。
XMアプリへのログインは、XMプロフィールに登録済みの場合、メールアドレスとパスワードで、未登録の場合は、MT4/5 IDとパスワードでログインします。
▼「XMTradingアプリ」と「MT4/MT5」タブで切り替え▼
App Storeまたは、Google Playにマウスカーソルを乗せると、QRコードが表示されるので、お手持ちのスマホで、読み取ってください。
XMアプリへのログインは、XMプロフィールに登録済みの場合、メールアドレスとパスワードで、未登録の場合は、MT4/5 IDとパスワードでログインします。
ダウンロード後、インストールしたMT4/MT5にログインするには、XMから割り当てられたログインID・サーバー名と、口座開設時に自分で設定したパスワードが必要です。
ログインIDとサーバー名は、「XMへようこそ!」という件名のメールに記載されています。
スマホでログインする場合は、iOSとAndroidで操作が少し異なりますので以下に関連記事を参考にしてくださいね。
手順3.MT4上でトルコリラの表示設定をする
インストールしたMT4にログインすると、次のような初期画面になると思います。
▼MT4の初期画面▼
このままだと、トルコリラは取引できないので、EURTRYもしくはUSDTRYのチャートを表示してみましょう。
まずは、気配値欄で右クリックします。
- 気配値欄のどこでもいいので、カーソルを合わせ右クリックしてください。
右クリックメニューから「すべてを表示」を選択。 - 銘柄内からEURTRY、またはUSDTRYを探し、見つけたら任意の通貨ペアを選択し、右クリックしてください。
右クリックメニューから「すべてを表示」を選択。
▼MT4の気配値欄▼
▼
「チャート表示」を選択すると、チャート画面上にEURTRYのチャートが現れます。
実際の注文や決済は、このチャート画面を表示しながら行います。
トルコリラ取引をするうえで知っておきたい基礎知識
トルコリラは、中東にあるトルコ共和国の通貨です。
リラとはラテン語で「天秤」を意味し、イタリアなどでも通貨単位として使用されています。
位置的に、シリアやイラクなど治安が安定しない国と国境を接しているため、地政学的リスクがあると言われています。
トルコ自体に問題はなくても、世界の火薬庫である中東のそばに国が所在してるため、また、不安視されることが多いです。
また、近年では政治的な理由で信用リスクが高まることもあるようです。
流動性が低いため値が安定しない
トルコリラは、ドルや円などに比べると流通量が少なく、値が安定しません。
下の画像はUSDTRY(ドルトルコリラ)の5分足の画像です。
▼USDTRY ドルトルコリラ5分足▼
上ヒゲや下ヒゲも多く、スプレッドも広いため、スキャルピングには向きません。
週明けには、値が飛んで窓が開くことも多くあります。
▼USDTRY ドルトルコリラ週明け月曜日の様子▼
▼USDTRY ドルトルコリラ週明け月曜日の様子▼
こうした動きが多いため、フルレバレッジでの取引はおすすめできません。
フルレバレッジの場合、ロスカットの危険性があがり、すぐに強制退場になってしまいます。
証拠金に余裕を持った取引を心がけてください。
値動きの原因は?
エネルギーを輸入に頼るトルコでは、通貨価値は原油価格の影響を受けやすいと言われています。
そのため、原油価格の変動の激しかった2018年までも年に数回、暴落のような値動きを起こしていました。
しかし、2018年以降は、政治情勢・金利政策なども複雑に影響して、ほぼ毎月のように大きな値動きがあります。
▼USDTRY ドルトルコリラ月足▼
2018年8月のトルコショック
近年でもっとも値が動いたのが、2018年8月のトルコショックです。
もともと折り合いの悪かったトルコ大統領のエルドアンと米トランプ大統領との関係が、牧師拘束事件(Wikipediaより)をきっかけにさらに悪化。
エルドアン大統領が対米関係で強硬な姿勢を取り続けたことで、2018年8月、トランプ大統領が制裁措置として関税の引き上げを発表しました。
その結果、起きたのがトルコリラの大暴落でした。
そして、その後、エルドアン大統領は対抗措置として政策金利を一時的に24%まで利上げしました。
この時、XMではトルコリラの新規注文の発注を停止(2018年8月13日)し、ほぼ1か月間、既存ポジションの決済注文のみを受け付けるようにするなど、各FX会社に与えた影響も甚大でした。
(現在は注文可能です)
トルコの政策金利は今後どうなる?
さて、為替に大きな影響を与えるトルコの政策金利の推移をみてみましょう。
トルコの政策金利の推移をあらわしたのが以下のグラフです。
トルコリラのみ、突出して動きが激しいですね。
政治情勢の不安定さが影響していると思われます。
今後トルコの金利政策がどのように変化するかわかりませんが、他先進国に比べて政策金利の上下がかなり激しいと言われています。
元来、トルコ政府は金利を下げたいと思っていますが、トルコ中央銀行の金利政策と一致しないこともあり、政府と中央銀行の足並みが揃わないことに欧米市場は警戒感を抱いています。
そもそも、トルコ政府による金利政策への介入自体を、他国は不安視しており、何かのきっかけがあれば、トルコリラが売られやすい状況はしばらく変わらないものと思われます。
実質金利はマイナス(インフレ率を考慮にいれる)
高い金利を設定しているトルコリラですが、なぜ、トルコリラの価値は下がりやすいのでしょうか?
高い金利を設定しているにもかかわらず、トルコリラの価値は年々下がっていますがその理由として第一に挙げられるのが「インフレ率の高さ」です。
トルコリラ取引をするトレーダーは、「インフレ率」と大きく関係している実質金利の考え方も押さえておいた方がよいでしょう。
インフレ率の高さに比例するトルコの政策金利
インフレは、物の値段が上がる面ばかりが言われますが、実際はお金の価値が下がることを指します。
トルコの政策金利が高いのは、放っておくとお金の価値が下がってしまうため、政策金利を上げている面があります。
以下のグラフはトルコのインフレ率をあらわしたグラフです。
引用:トレーディングエコノミクス「トルコのインフレ率」
先ほどの政策金利の推移のグラフとシンクロしているように見えますね。
先進諸国では、金利をコントロールすることでインフレ率を調整するのですが、トルコの場合は、インフレの穴埋めをするために金利を上げているところがあります。
インフレ率が上がり、お金の価値が下がると物資の輸入時などにも困るため、トルコ中央銀行は高い金利政策をとっているとも言えるでしょう。
そして、実質金利とは、政策金利からインフレ率を引いた数値のことです。
実質金利 = 政策金利 – インフレ率
現在のトルコの政策金利は15%ですから、43%前後のインフレ率だと、実質金利はマイナスとなります。
実質金利がマイナスであれば、持っているだけでどんどん価値が低くなるわけですから、その通貨を保有しているメリットはないといっても過言ではありません。
このように高金利政策だけでは、トルコリラの価値の目減りを食い止めることはできていないのが現状です。
インフレが続くこの状況を打開しないかぎり、トルコリラを保有するメリットは低いままだろうと言われています。
ローザンヌ条約により地下資源を2023年まで凍結
トルコリラについては、マイナス情報が多いので、プラスの情報もご紹介します。
トルコは第一次世界大戦で敗戦国となり、その際に戦勝国との間で「ローザンヌ条約」が結ばれましたが、その際に、「2023年まで地下資源の採掘を停止」という密約をさせられたので、トルコには、「豊富な地下資源」がまだ手付かずの状態で残っているようです。
実際、2020月には、黒海にて同国史上最大の天然ガス田を発見したというニュース(ロイターより)も報道されています。
中東に接して広大な国土を保有しているトルコの地下資源埋蔵量は相当量が見込まれており、これを産業化できればトルコ経済やトルコリラにとっても明るい材料として市場は判断するでしょう。
2024年から急速に経済が成長するとは言い切れませんが、期待材料として、こういうのもあるんだ程度に認識しておくとよいでしょう。
トルコリラのスワップ狙いの取引で損をしてしまう理由
XMでのトルコリラ取引について、基本的な注意点を述べてきましたが、スワップ狙いの取引についてより深く注意を払えるように、スワップ狙いで損をしてしまう理由について解説します。
トルコリラ取引は危険な取引
それでは、スワップ狙いの取引で損をしてしまうのは、何が問題なのでしょうか?
わかりやすくするためにトルコリラ円のチャートで解説します。
まずは、トルコリラ円の月足チャートをご覧ください。
▼トルコリラ円月足チャート▼
引用:外為どっとコム「トルコリラ円チャート月足」
トルコリラ円でスワップ益を得るためには、トルコリラの買いが必要ですが、この10年ずっとトルコリラの価値はずっと下がり続けています。
これは、ドルやユーロに対しても同様で、トルコリラの価値は10年前の約5分の1程度になっています。
いくら保有することでスワップ益が付くといっても、通貨の価値そのものが下がってしまったら、良くてプラスマイナスゼロか、タイミングが悪いと評価損になってしまいます。
しかし、多くのトレーダーにとって、スワップ益は魅力的で、外為どっとコムが公開しているオーダーでは、圧倒的に買いトレードが多数になっています。
正直、(追証のある国内FXにもかかわらず)、多くの人が危険な取引をしているという印象です。
▼トルコリラ円オーダー状況▼
引用:外為どっとコム「トルコリラ円ポジション比率情報」
このような状況ですから、トルコリラ取引で損をしてしまう理由は以下の理由が挙げられてます。
- メリットしか見ていない
- 安易に値ごろ感でエントリーしてしまう
- 証拠金に余裕のない取引をしてしまう
- 暴落のリスクヘッジをしていない
メリットしか見ていない
たしかにトルコリラ取引のスワップ益は魅力的です。
基本的には、何もしないでも毎日スワップ益収入が入ってくることになるので、為替が動かなかったら、銀行預金のような感覚になるかもしれません。
ですが、為替レートは日々刻刻と変わっており、銀行預金とは全く性質の違うものです。
為替リスクを念頭において、ニュースはこまめにチェックする必要があります。
安易に値ごろ感でエントリーしてしまう
トルコリラ取引で買いエントリーしやすいのが、暴落したタイミングです。これ以上、下がらない底値であると思いこみ、エントリーしがちです。
しかし、「底値だと思ったら、さらに下に底があった」という値動きをトルコリラは10年以上続けています。
安易に「トレンドが変わった!」と考えない方が得策でしょう。
証拠金に余裕のない取引をしてしまう
多くのスワップ益がもらえるからといって、レバレッジをかけて大きなポジションを持つ取引は、トルコリラではやめておいた方がよいでしょう。
トルコリラのボラティリティは高く、証拠金に余裕ない取引を行うと、あっという間に強制ロスカットに遭ってしまう可能性があります。
証拠金には余裕を持ち、2~3倍のレバレッジ程度で取引するのが良いと言われています。
暴落のリスクヘッジをしていない
トルコリラ取引の場合、政情不安や地政学的リスクにより、近年、大きな暴落を何度も経験しています。
追証の危険性がある国内FXで暴落の対策をしないのは論外ですが、ゼロカットのあるXMでも証拠金を失ってしまうリスクがあります。
逆指値を入れておくなどの対策は基本ですが、流動性の低いトルコリラ取引では、思い通りの値段で約定するとはかぎりません。
実は暴落対策で一番有効な方法は、XMで複数口座を持つ方法です。
XMでは8つまで口座を持つことができますが、それぞれの口座は別会計なことが特徴です。
ショック安や週明けの窓開き対策で、他の口座に余剰証拠資金を移動しておけば、余剰証拠金を失うリスクを避けることができます。