XMのコピートレードは、配信者をフォローするだけで始められる手軽さがある一方で、マルチプライヤーの設定やコスト構造など独自の仕組みもあり、初めてXMでコピートレードに挑戦する方にとっては戸惑う部分も少なくありません。
そこで、本記事では、XMコピートレードの仕組みや、ストラテジーマネージャーと投資家の関係・報酬制度、マルチプライヤーの仕組み、手数料・コスト構造などを徹底解説します。
XMのコピートレードとは | その特徴と魅力
コピートレードとは、他のトレーダーやEA(自動売買ロボット)の取引戦略を自分の口座へ反映させるサービスです。
以下にXMのコピートレードの特徴とメリット・デメリットを解説します。
XMコピートレードの特徴とメリット・デメリット
XMコピートレードの最大の特徴は、投資をサポートする機能が充実している点です。
例えば、マルチプライヤーという機能では、自分の資金力に合わせたリスク調整が可能です。
また、投資家(フォロワー)がストラテジー(配信者)を選ぶ際には、裁量取引から完全自動EAまで多様な選択肢が用意されています。
さらに、ソーシャルフィードではストラテジー(配信者)が市況や取引の振り返りを投稿しており、取引の参考になる情報を得られます。
ただし、XMのコピートレードならではのデメリットもあります。以下にXMのコピートレードのメリットとデメリットをまとめました。
- マルチプライヤー機能:取引サイズを調整し、リスク管理が可能
- ソーシャルフィード:XM独自のSNS機能、配信者の戦略や報告を確認可能
- 多様なストラテジー:裁量取引、半裁量型EA、完全自動EAの3種類から選択可能
- フォロー手数料:フォロー手数料は、累計損益が最高額に達したときのみ発生
- 配信者の日本人率:配信者に日本人が多数在籍
- 口座通貨の制限:米ドル建てのみのため、bitwallet等の入出金方法が利用不可
- 口座スペック:スタンダード口座と同等なので、優れた取引条件での取引は不可
- 配信者の数:まだサービスが始まってから日が浅いため、配信者の数が比較的少ない
XMは大きな会社ですが、まだ始まったばかりなので、配信者の数が少し物足りない感じがするので、様子見の方も多いと思います。
XMコピートレードの仕組み(ストラテジーと投資家)
XMのコピートレードの仕組みは、「ストラテジーマネージャー」(取引のノウハウを持った配信者)が行う取引戦略を、「投資家」(フォロワー)がシステムを通じて、自動的に反映できるというものです。
具体的には、XMコピートレードのページで、ストラテジーマネージャーの実績やリスクを比較し、自分に合った配信者を選びます。
そして、フォローを始めると、そのストラテジーが取引を実行するたびに、フォロワーの口座でも資金量に応じたポジションが自動で開かれます。
ストラテジーマネージャーとは | ストラテジー口座の仕様
ストラテジーマネージャーとは、自らの技術や判断に基づいたストラテジー(取引戦略)を作成して、投資家に提供する人です。
ストラテジーは、ストラテジーマネージャーが取引を行う専用口座のことで、この口座では、裁量とEAのどちらを採用しても構いません。
XMのストラテジー口座の仕様
ストラテジー口座は最大10個まで作成可能で、それぞれ異なるレバレッジやフォロー手数料、資金額で作成できます。
また、MT4/MT5に対応しており、最大レバレッジは300~500倍から選択できます。
仕様 | |
---|---|
最大レバレッジ | 300~500倍 |
最少Lot | 0.01 |
スプレッド | スタンダードと同等 |
フォロー手数料 | 0~50%から設定 |
口座通貨 | 米ドル |
プラットフォーム | MT4/MT5 |
ボーナス |
ストラテジー口座の最大レバレッジは、一度設定すると後から変更できません。
投資家とは | 投資家口座の仕様
投資家とは、ストラテジーの取引を自分の口座に反映させて、間接的に取引を行う人です。
取引の知識や経験がなくても、また市場分析のための時間がなくても、他の人の戦略を活用して利益を目指せます。
投資家口座の仕様
投資家口座は、ストラテジーをフォローするための専用口座です。
この口座はXMのスタンダード口座と基本スペックは同じですが、最少取引サイズが0.001(100通貨)で小さな取引に対応しているという特徴があります。
なお、投資家口座は、ストラテジーをフォローするための口座なので、投資家口座の口座番号でMT4/MT5にログインして自分で取引することはできません。
仕様 | |
---|---|
最大レバレッジ | 500倍 |
*最少Lot | 0.001 |
スプレッド | スタンダードと同等 |
口座通貨 | 米ドル |
プラットフォーム | ー |
*FXとゴールドの取引で、投資家の取引サイズが0.001未満の場合、ポジションは開かれません。
*ゴールドを除くCFD取引で、投資家の取引サイズが0.01未満の場合、投資家の取引サイズは0.01です。
投資家口座の作成は複雑な設定もないので、すぐにコピートレードを始められます。
XMコピートレードの報酬体系
XMのコピートレードを始めるにあたっては、「コピーさせる側」と「コピーする側」、それぞれに発生する報酬の仕組みを理解しておくことが大切です。
ストラテジーマネージャー(配信者)は、自身をフォローしている投資家から成功報酬を受け取り、投資家はその報酬を自身の利益から支払う形になっています。
この仕組みによって、投資の知識や時間がない人でもトレードの利益を狙える一方で、トレードスキルを持つ人は自分の取引を収益化できる、双方にメリットのあるシステムが成り立っています。
ここからは、それぞれの立場における具体的な報酬体系について詳しく解説していきます。
ストラテジーマネージャーの報酬の仕組み
ストラテジーマネージャーの報酬は、自分の取引による利益と、投資家から支払われる成功報酬の2種類あります。
この成功報酬とは、投資家が得た利益から、その一部(10%~50%)を受け取れる制度で、ストラテジーマネージャーの追加収入源となります。
例えば、成功報酬が30%で、ストラテジーの取引利益が$1,000、さらに10人の投資家それぞれの利益が$100だった場合、ストラテジーマネージャーは取引利益$1,000と、投資家からの成功報酬$300(各投資家から$30ずつ)を得て、合計$1,300の収入となります。
このように、ストラテジーマネージャーは通常の取引利益に加えて成功報酬という形で追加収入を得られるため、取引スキルをより効率的に収益化できます。
ストラテジーの成功報酬の割合は、ストラテジーマネージャー自身が0~50%の範囲で設定できます。
投資家の報酬の仕組み
投資家の報酬は、フォローしているストラテジーの取引パフォーマンスに連動します。
これは、ストラテジーが利益を出した場合は、投資家も利益を得られる一方、ストラテジーが損失を出した場合は、投資家も損失を被ることになるからです。
そして、ストラテジーの取引によって利益が出た場合、投資家は、その利益の一部を成功報酬としてストラテジーマネージャーに支払います。
例えば、フォロー手数料が30%のストラテジーの取引で、$100の利益が出た場合、投資家は利益の30%($30)をストラテジーマネージャーに支払うことになり、最終的な利益は$70($100-$30の差額)となります。
このように、投資家は自分で取引判断をしなくても、ストラテジーが利益を出せば、手数料を差し引いた利益を得られます。
私の場合は、フォロー手数料が多少高くも安定して利益を上げられそうなストラテジーを選んでいるので、手数料30%のストラテジーもいくつかフォローしています。
XMコピートレードの手数料・コスト構造
XMコピートレードの手数料・コスト構造は、主に3種類から成り立っており、投資家のみが支払う「フォロー手数料」と、取引で発生する「スプレッド」「スワップ」です。
フォロー手数料は、投資家が利益の一部をストラテジーマネージャーに支払うもので、「ハイウォーターマーク」という方式が採用されています。
なお、スプレッドとスワップはXMスタンダード口座と同等の条件が適用されます。
以下では、それぞれのコストの仕組みについて詳しく解説しています。
フォロー手数料とは
XMコピートレードのフォロー手数料とは、投資家がストラテジーマネージャーに成功報酬として支払う手数料です。
例えば、フォロー手数料が30%に設定されており、投資家の口座で$100の利益が出た場合、投資家はストラテジーマネージャーに$30を支払うことになります。
このフォロー手数料は、投資家の口座で発生した利益と含み益をもとに、XMによって毎日自動で計算されますが、実際に手数料が徴収されるのは、ハイウォーターマーク方式の条件を満たした場合のみです。
ハイウォーターマーク方式のフォロー手数料とは
ハイウォーターマーク方式の手数料とは、過去に達した累計損益の最高額(HWM)を超えたタイミングでのみ手数料が発生する方式です。
例えば、累計損益が「$100→$50→$60→$90→$130」と変化した場合、1日目に$100の利益が出た時点でその金額が最初のHWMとなり、この時点で手数料が発生します。しかし、2〜4日目は$100を超える利益が出ていないため手数料は発生しません。
そして、5日目に累計利益が$130となったので、前回のHWM($100)を超えた部分($30)に対してのみ手数料が計算されます。
つまり、単純に利益が出たからと言って、手数料が徴収されるわけではなく、「過去の最高利益を更新した分」に対してのみ手数料が発生します。
スプレッドの仕様
XMのコピートレードでは、実際に取引しているのはストラテジーであり、投資家は自動的に取引をコピーするだけなので、スプレッドを意識することが少ないかもしれません。
しかし、コピーされた取引にも当然スプレッドは発生しています。XMコピートレードでは、スタンダード口座と同等のスプレッドが採用されており、取引条件としては最良とは言えません。
例えば、XMスタンダード口座のスプレッドは、1ロットを取引する場合、ドル円で約2,000円、ゴールドで約6,000円のコストとなります。
他社の場合、ドル円で1,000円前後、ゴールドで2,500円前後とXMの半分程度の業者もあるので、ややコストが大きい点を理解しておく必要があります。
投資家口座では、XMのオートリベートが利用可能なため、キャッシュバックという形でスプレッドコストを一部圧縮することができます。
スワップの仕様
XMコピートレードでは、XMのスワップポイントが適用されます。
発生したスワップの金額はポートフォリオのポジションから確認することができるため、長期保有しているポジションがある場合は、定期的に確認しておくのが無難です。
特にスワップが大きくマイナスとなる通貨ペアを長期間保有している場合は、累積するスワップコストが利益を圧迫する可能性があるため注意が必要です。
マルチプライヤーの仕組みと計算方法
XMコピートレードのマルチプライヤー機能とは、投資家の資金に合わせて取引サイズを調整できる仕組みです。
マルチプライヤーには「投資金額」と「固定マルチプライヤー」という2つの方式があり、どちらを選ぶかでリスク管理の方法が変わります。
このマルチプライヤーの概念自体はただの倍率なので、直感的には理解しやすいものですが、それぞれの方式の特徴や計算方法は少し複雑です。
そこで以下では、マルチプライヤーの基礎から「投資金額」「固定マルチプライヤー」それぞれの仕組みや計算方法、リスク面への影響を解説します。
このマルチプライヤー機能により、私の口座では、0.001~0.005Lotの無理のない取引が自動で行われています。
マルチプライヤーとは
マルチプライヤーとは、「倍率」を意味する語で、ストラテジーの取引をどのくらいの割合で自分の口座にコピーするかを計算するための値です。
例えば、マルチプライヤーが0.5倍の場合、ストラテジーが1Lotを取引すると、あなたの口座では0.5Lotが取引されます。逆に2倍の場合は、ストラテジーの取引量の2倍がコピーされます。
この倍率を調整することで、自分の資金やリスク許容度に合わせて取引サイズを調整できます。
投資金額の仕組み
投資金額では、投資家とストラテジーの資金比率からマルチプライヤーが自動的に調整されます。
そして、マルチプライヤーが自動調整されることで、資金に対する取引量の割合が、ストラテジーと投資家で常に同じになります。
つまり、ストラテジーが自分の資金の10%のリスクで取引していれば、投資家も自分の資金の10%のリスクで取引することになります。
以下では、投資金額でのマルチプライヤーの計算、取引サイズの調整、リスク比率の維持について解説しています。
投資金額のマルチプライヤーの計算方法
投資金額では、ストラテジーの自己資金と最大レバレッジ、投資家の投資額(ストラテジーへ割り当てている資金)と最大レバレッジ(500倍で固定)からマルチプライヤーを計算します。
マルチプライヤーを求める計算式は以下の通りです。
(100 ÷ 1,000) × (500 ÷ 500) = 0.1
ストラテジーの資金が増えるとマルチプライヤーは小さく、資金が減るとマルチプライヤーは大きくなります。
投資金額での取引サイズの調整
投資金額では、投資家の取引サイズはマルチプライヤーの倍率によって自動で調整されます。
これは、ストラテジーと投資家の資金比率によって、倍率が自動で調整されて、その倍率×ストラテジーの取引サイズが、投資家の口座で発注される取引サイズとなるからです。
例えば、ストラテジーが$1,000で1Lotを取引した場合、投資家の資金が$100であれば、マルチプライヤーが0.1倍になるので、投資家の口座では0.1Lotが発注されます。
そして、ストラテジーの資金が$2,000になったと仮定した場合、投資家の資金の割合は相対的にストラテジーの資金の半分になるため、投資家の取引サイズは元の半分(0.05Lot)になります。
このように、投資金額方式では、ストラテジーと投資家の資金比率が変動するたびに、取引サイズが自動で調整されます。
資金 | 倍率 | 取引 サイズ | ||
---|---|---|---|---|
初期状態 | ストラテジー | $1,000 | ー | 1Lot |
投資家 | $100 | 0.1 | 0.1Lot | |
ストラテジー の資金増加後 | ストラテジー | $2,000 | ー | 1Lot |
投資家 | $100 | 0.05 | 0.05Lot | |
ストラテジー の資金現象後 | ストラテジー | $500 | ー | 1Lot |
投資家 | $100 | 0.2 | 0.2Lot |
仮にストラテジーが、資金が減ったにもかかわらずロットを下げなかった場合は、投資家の取引サイズが増加してしまう点には注意が必要です。
投資金額でのリスク比率の維持
投資金額では、ストラテジーと投資家の間でリスク比率が常に維持されます。
これは、システムがストラテジーと投資家の資金比率を常に計算し、それに合わせて取引量を自動調整するため、両者の資金に対するリスクの割合が一定に保たれるからです。
例えば、ストラテジーが常に証拠金維持率1,000%で取引する場合、ストラテジーの資金が増減しても、投資家の取引サイズが相対的に調整されることにより、投資家も常に証拠金維持率1,000%で取引できます。
以上のように、投資金額では、ストラテジーのリスク管理がそのまま投資家の口座にも反映されます。
資金 | 倍率 | 取引量 | 必要 証拠金 | 証拠金 維持率 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
初 期 状 態 | ストラ テジー | $1,000 | ー | 0.5Lot | $100 | 1,000% |
投資家 | $100 | 0.1倍 | 0.05Lot | $10 | ||
入 金 後 | ストラ テジー | $2,000 | ー | 1Lot | $200 | 1,000% |
投資家 | $100 | 0.05倍 | 0.05Lot | $10 | ||
出 金 後 | ストラ テジー | $500 | ー | 0.25Lot | $200 | 1,000% |
投資家 | $100 | 0.2倍 | 0.05Lot | $10 |
*銘柄はUSDJPY,レバレッジ500倍で計算
自己資金に対してロットを張りすぎないストラテジーを選べば、ストラテジーの堅実なリスク管理が投資家の口座にも反映され、安定した運用が期待できます。
固定マルチプライヤーの仕組み
固定マルチプライヤーとは、一度設定したマルチプライヤーの値がそのまま固定倍率として適用される方式で、投資家が自分でマルチプライヤーを設定します。
この方式では、倍率が固定であるため、資金の増減に関係なく、投資家とストラテジーの間で取引サイズの比率が常に一定に保たれます。
そのため、例えば、ストラテジーが追加入金した場合など、リスク比率が状況に応じて変動することに注意が必要です。
以下では、固定マルチプライヤーでの取引サイズの計算、リスク比率の変動について解説しています。
固定マルチプライヤーの取引サイズ
固定マルチプライヤーでは、設定した倍率×ストラテジーの取引サイズが投資家の取引サイズとなります。
例えば、投資家がマルチプライヤーを倍率を0.1に設定した場合、取引サイズは0.1倍になるので、ストラテジーが1Lotを注文すれば投資家の口座では0.1Lot、ストラテジーが10Lotを注文すれば投資家は1Lotが注文されます。
ストラテジーの 取引サイズ | 倍率 | 投資家の 取引サイズ | |
---|---|---|---|
取引1 | 1 | 0.1 | 0.1 |
取引2 | 10 | 1 |
固定マルチプライヤーを選択する際は、ストラテジーのポートフォリオから大体どのくらいのLot数で取引しているのかを事前に確認しましょう。
固定マルチプライヤーでのリスク比率の変動
固定マルチプライヤーでは、ストラテジーまたは投資家の資金の増減によって、ストラテジーと投資家の間のリスク比率が変動する場合があります。
これは、ストラテジーと投資家の資金比率の変動に関係なく、設定した倍率が常に維持されるためです。
例えば、証拠金維持率500%で取引するストラテジーが、追加入金して資金が2倍、取引サイズも2倍になったとします。
この場合、ストラテジーの証拠金維持率は500%のままです。しかし、マルチプライヤーの倍率を変更していない状況では、投資家の証拠金維持率は250%に落ちてしまいます。
逆に、ストラテジーの資金が半分になり、取引サイズも半分になったときは、投資家の証拠金維持率は1,000%になり、リスクは相対的に軽減されます。
資金 | マルチ プライ ヤー | 取引量 | 必要 証拠金 | 証拠金 維持率 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
初 期 状 態 | ストラ テジー | $1,000 | ー | 1Lot | $200 | 500% |
投資家 | $100 | 0.1倍 | 0.1Lot | $20 | 500% | |
入 金 後 | ストラ テジー | $2,000 | ー | 2Lot | $400 | 500% |
投資家 | $100 | 0.1倍 | 0.2Lot | $40 | 250% | |
出 金 後 | ストラ テジー | $500 | ー | 0.5Lot | $100 | 500% |
投資家 | $100 | 0.1倍 | 0.05Lot | $10 | 1,000% |
*銘柄はUSDJPY,レバレッジ500倍で計算
赤はリスク上昇
青はリスク低下
XMコピートレードの仕組みを理解したら、次は実際にコピートレードを始めてみましょう。以下の記事で、コピートレードの口座作成方法を解説しているので、参考にしてください。
XMのコピートレードに関するよくある質問
XMコピートレードの仕組みに関するよくある質問をまとめたので、参考にしてください。