コピートレードの詐欺アイキャッチ

コピートレードの詐欺における危険性と防犯知識を掲載しています。

コピートレードは、プロの投資をコピー出来る便利なサービスですが、おいしい話を持ち掛け、MT4/MT5口座に入金させ、出金は行わないという悪質な詐欺が発生しているのも事実です。

コピートレードを悪用した詐欺の手口やその被害実例騙されないための知識と意識を解説します。

コピートレード詐欺の手口 | MT4/MT5口座開設への誘導

コピートレードを悪用した詐欺といっても、具体的にどのように騙されてしまうのでしょうか?

まずはコピートレード詐欺でよく見られる手口やMT4/MT5口座開設への勧誘方法をご紹介します。

コピートレードを騙ったMAM・PAMM口座

コピートレードを騙ったMAM・PAMM

コピートレードを悪用した詐欺でよく見られるのは、コピートレードだと言ってMT4/MT5口座を開設させ、実際に提供するのは「MAM・PAMM」システムという手口です。

コピートレードとMAM・PAMMには、決定的な違いがあります。

最も大きな違いは、コピートレードなら、いつでも自分の意思で取引を停止できるのに対し、MAM・PAMMの場合は、契約期間中の取引停止が不可であるという点です。

▼それぞれのシステムの相違点抜粋
コピートレードMAM・PAMM
取引の仕組み取引シグナルの
コピーのみ
投資者に代わって
プロトレーダーが取引
(信託投資に近い)
停止いつでも可能契約期間中は不可
決済/出金いつでも可能契約期間中は不可
入金先投資者自身
の口座
MAM:投資者口座
PAMM:専用口座
取引履歴全て公開MAM:公開
PAMM:非公開
男性講師2

MAM・PAMMでは、相場の急変動時に自分で対処できず、場合によっては、口座残高が減っていくのを見守るしかないということですね。

コピートレードとMAMM・PAMMの特徴

コピートレードの特徴

コピートレードはプロバイダーのシグナルをフォロワーの口座で受信し、それを利用して取引を行うものなので、取引の主導権はフォロワー自身に残ります。

そのため、フォロワーが止めたいと思えばいつでもフォローを解除でき、ポジションの決済や出金もフォロワーが好きな時に行うことができます。

MAM・PAMMの特徴

MAM・PAMMでは、取引の主導権は投資者に代わって取引を行う別のトレーダーに握られます。

ロックアップ期間と呼ばれる契約期間中は、投資者による運用停止や決済、出金等が一切できないため、この時点で騙されたと気づいても後の祭りです。

取引方法の違いが詐欺につながる

コピートレードはあくまでフォロワーの口座でプロバイダーの取引シグナルを利用して取引を行うだけなので、資金は常にフォロワー自身の口座の中にある状態です。

一方、PAMMは資金をマスター口座と呼ばれる専用口座に入金して完全に運用を任せることになるので、資金の持ち逃げなどに遭う可能性が高くなります。

両者の違いのあやふやさを悪用した詐欺に注意

コピートレードを悪用して詐欺を働く人間は、あたかもコピートレードを行うかのように説明して被害者を勧誘します。

しかし、蓋を開けてみると取引にはコピートレードではなくMAM・PAMMのシステムが適用されており、被害者は自分で取引を中断することができません。

つまり、コピートレードそのものを使った詐欺ではなく、コピートレードと偽ったMAM・PAMMでの詐欺が横行しているという現状です。

POINT

MAM・PAMMが必ずしも詐欺だとは限りませんが、コピートレードより遥かに詐欺に遭いやすい性質であることは否定できません。


FXコピートレード詐欺の勧誘方法

皆様への注意喚起として、コピートレードを悪用したFX詐欺の代表的な勧誘方法を3つご紹介します。

以下に該当する方法でコピートレードに勧誘された場合、まずは警戒した方がいいです。

1.SNS上で勧誘しMT4/MT5口座を開設させる

SNSを利用したコピートレード詐欺

X(Twitter)やLINEなどのSNS上で億FXトレーダーを名乗り、異常なまでの好成績を公開して「私のトレードをコピーすれば必ずFXで勝てます!」と無名FX業者のMT4/MT5口座開設・入金を勧めてくる詐欺アカウント。

これは十中八九、詐欺集団とグル(もしくは内部の人間)だと考えましょう。

そもそも、FXにおいて絶対勝てるということはあり得ません。どんなに腕のあるトレーダーでも、負けるときは負けます。

それなのに「絶対勝てるFX」などと謳っているのは、明らかに投資詐欺です。

MT4/MT5上の好成績も、詐欺集団によって改ざんされた偽物の可能性があります。

2.インフルエンサーを利用する

インフルエンサーを利用したコピートレード詐欺

YouTubeで人気のあるインフルエンサーが、詐欺集団のコピートレード(実はMAM・PAMM)を宣伝しているケースもあります。

インフルエンサー自身は、業者から依頼を受けて動画を作成しているだけなので、その実態が詐欺FX業者だと全く知らずに詐欺の広告媒体となっていることも多いです。

「有名で人気のある人物が紹介しているから、きっと安全なFX業者だ」などと安直に考えてはいけません。

3.マッチングアプリや出会い系

マッチングアプリや出会い系を利用したコピートレード詐欺

ネット上で知らない異性と出会うことも可能な世の中、この相手が詐欺集団のコピートレード(実態はMAM・PAMM)を勧めてくる場合もあります。

長期的に連絡を取って警戒心が緩んでしまっていたり、拒否して嫌われることを躊躇してしまうかもしれませんが、FX投資詐欺師はこの弱さに付け込んで来ます

どんなに信用していても相手は赤の他人です。他人からの投資勧誘を決して受けてはいけません。



コピートレード詐欺に遭ったらどうなる?

もしもコピートレード詐欺に騙された場合、どのような流れが予想されるでしょうか?

詐欺被害に遭った方の体験談を交えつつ、詐欺被害の結末を見てみましょう

詐欺に遭った後のシナリオ

まずは、コピートレード詐欺に騙された後の大まかな流れを整理しましょう。

詐欺師は狡猾に手を変え品を変え詐欺活動を行うため、一概に同じ流れになるとは言えませんが、よく見られる詐欺のシナリオは以下の通りです。

よくある詐欺の流れ
  1. 詐欺師に騙されてコピートレードを始める
  2. 最初は順調に利益が増える
  3. 被害者が資金を追加入金する
  4. 不正操作などにより資金が全て没収される

1.詐欺師に騙されてコピートレードを始める

SNSやマッチングアプリなど、状況によって媒体は異なりますが、詐欺師によって騙された被害者は、「儲かるかもしれない」や「お願いされたら断れない」とコピートレードを始めてしまいます。

2.最初は順調に利益が増える

たとえ詐欺に遭ったとしても、すぐさま資金を奪われるというようなケースは少なく、詐欺師はしばらく被害者を泳がせる傾向があります。

多くの場合、初めのうちは問題なくトレードが行われ、順調に利益が増えていきます。

3.被害者が資金を追加入金する

順調に利益が増えていく様子を目にすると、つい欲が出てしまうのが人間です。予定より多くの金額を追加入金してしまう人もいるでしょう。

詐欺集団はこのタイミングを狙っています。

4.不正操作などにより資金が全て没収される

被害者が投資額を増やすと、それを待っていた詐欺師は一気に行動に移します。

どのように資金が奪われるかは詐欺集団によって異なりますが、よくあるのは以下のようなパターンです。

  • 入金額が増えた途端、プロバイダーがおかしな取引を行い、結果資金は全額溶けてしまう。
  • 出金に高額な手数料を請求されたり、言いがかりをつけられて出金拒否や利益取消になる。

もしコピートレードであれば、異変に気付いた瞬間にフォローを解除することもできますが、多くの場合はコピートレードを偽ったMAM・PAMMなので、被害者は自分の意志で決済や出金を行うことができません


実際のコピートレード詐欺被害例

コピートレード詐欺実例

参考までに、実際に発生したコピートレード詐欺被害例を2件ご紹介します。

詐欺集団が相対取引(OTC)を行う悪徳ノミ業者の場合、顧客の損は全て業者の利益となるため、コピー元(悪徳業者)はわざと不利な取引を行うことによって、顧客の資金を溶かそうとします。

以下で紹介する実例も、そのような詐欺業者に騙されたものではないかと推測されます。

被害例1

至急!回答お願いします。
海外fxの詐欺に遭いました。いわいるロマンス国際詐欺だと思います。
簡単に経緯を話すと、グループLINEでコピートレードをした時に、チャートが不正操作され、証拠金が全てなくなり、マイナスまで行きました。
翌日、アカウントマネージャーからマイナス分を払えとLINE来て一週間以内に支払いがないと起訴すると脅されました。
業者はUnited International Foreign Investment Center Ltd です。
この際、実際支払いをしないといけないですか?
実際に入金した額は15万です。

相手を信じてコピートレードを始めたら、不正操作で証拠金が溶かされ、その挙句に追証まで請求されてしまったという事例です。

近年急増しているという※国際ロマンス詐欺の場合、日本人をターゲットにする詐欺師はLINEを利用することが多いのも特徴です。
※ネットなどで知り合った海外の相手に恋愛感情を抱かせ詐欺のカモにする手口

騙されないために

素性の知れない相手からの投資話には決して耳を貸さないようにしましょう。

被害例2

投資の詐欺で困っています。
海外のFXブローカーを使ったコピートレードなのですが以前から販売者との連絡が取れないまま現在も取引が続いています(私の方からは取引ができません)、当初50万円の資金で始めたのですが現在4万円程度まで残高が減っています。
ポジションの取り方を見ても明らかにキャッシュバックのみを目的としたものとしか思えません。何故こんな商材に手を出してしまったのか自分でも情けないのですが・・・。
とにかく解約しようにも会社の所在地、電話番号などもわかりませんしメールで連絡しても返答ありません、今後相場の動き次第では追証の恐れもありますので早急に処理をしたいです。

この事例では、投資者にコピートレードだと説明しておきながら、実際は投資者が自分で取引を中断できないMAM・PAMMが適用されています。

投資者は残高が無残に減っていく様子を眺めるしかできないという悲惨な状況です。

騙されないために

会社の所在地や連絡先が分からないような怪しい業者や、安全性に疑問が残る業者は間違っても利用しないようにしましょう。


プロバイダー(配信者)の信頼度も重要

コピートレードの相手は本当に信頼できるか

悪質なプロバイダーの場合、自分の成績を誇張して、まるで自分をフォローすれば必ず儲けられるかのように話します。

しかし、実際は報酬目的でフォロワーを集めているだけなので、必要以上にたくさんポジションを取るなど、あまり戦略性のない取引ばかり行う可能性があります。

このようなプロバイダーに引っかかってしまった場合、利益を得るどころか、全資金を失う可能性があります。

対策としては、フォローする前にコピートレードプラットフォームに公開されているプロバイダーの過去成績や取引履歴をしっかり確認することです。

信頼性のあるトレーダーかそうでないかは、これらのデータからある程度推測することが可能です。


詐欺被害に合わないための意識

詐欺の被害に合わないためには、まずコピートレードのシステムを深く理解し、お金の流れを把握する事が大切です。

シグナル配信者は利益を得るために、言葉巧みに自分の配信をコピーさせようとするかもしれませんが、資格を持たない投資の勧誘は違法です。

もし興味を持って入金するのであれば、振込先が自分名義の口座である事、自分の好きな時に出金が出来る事、入金先が破綻した場合でも自分にお金が戻ってくる事を先に確認して下さい。

男性講師2

プロのトレードを真似できると言っても、良い配信者を見つけるのは難しく、投資にはリスクが伴います。現状は簡単に楽して儲かるシステムではありません。