リクイディティプロバイダー(LP)とは?FXの仕組み

海外FX業者のサイトなどでリクイディティプロバイダー(LP)について目にしますが、実際LPが何なのかよく分からない方も多いと思います。LPが何か知らなくても取引はできますが、LPを理解することで利用する業者を選ぶ指標の1つにできます。

本記事では、リクイディティプロバイダーの基本的な仕組みFX業者がどのようにLPと連携しているのかを詳しく解説します。また、LPがどのように価格を提供し、取引の透明性や流動性を確保しているのか深堀りしていきます。

リクイディティプロバイダー(LP)とは?

リクイディティプロバイダー(LP)とは、FX(外国為替)市場で取引がスムーズに行えるよう、売り手と買い手を結びつける役割を果たす企業や機関です。主に、大手銀行や専門の金融機関がこの役割を担い、市場の安定を支えています。

リクイディティプロバイダー(LP)とは?

FX業者は、リクイディティプロバイダーから提供された為替レートを基に、顧客に対して取引レートを提示します。これにより、市場の流動性・価格の安定性をが保たれ、投資家やトレーダーが効率よく取引できる環境が整います。

リクイディティプロバイダーの種類

リクイディティプロバイダーは、提供する流動性の範囲や方法によっていくつかの種類に分類されます。ここでは6種類の主なリクイディティプロバイダーについて紹介します。

銀行系リクイディティプロバイダー

大手国際銀行がリクイディティプロバイダーとしてFX市場で大量の資金を動かし、自社のトレーディングデスクから流動性を提供、FX業者に対して競争力のあるスプレッドを提供します。

例: JPモルガン・チェース、シティグループ、ドイツ銀行、バークレイズなど

非銀行系リクイディティプロバイダー

銀行以外の金融機関や独立系のトレーディング会社が高度なテクノロジーを活用し、より効率的な流動性を提供します。

これらのリクイディティプロバイダーは、高頻度取引やアルゴリズム取引に強みを持っています。

例: XTX Markets、Virtu Financial、Jump Trading

プライムブローカー

FX業者やヘッジファンドに対して信用供与、清算、決済サービスを提供するとともに、複数の流動性プロバイダーからの価格を統合して提供します。

例: ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、UBS

ECNプロバイダー

ECNプロバイダーは、トレーダーや金融機関が相互に取引できる電子ネットワークを提供します。複数のリクイディティプロバイダーからの価格を統合し、参加者が直接市場にアクセスできるようにします。

例: LMAX Exchange、Currenex、Hotspot FX

マーケットメーカー

自らが買い手や売り手となって流動性を提供し、取引が迅速に成立するようサポートします。

例: 一部のブローカーや証券会社が自社のマーケットメイキングデスクを運営

ハイブリッドリクイディティプロバイダー

一部のリクイディティプロバイダーは、銀行系と非銀行系、ECN方式を組み合わせたハイブリッドアプローチを採用し、取引のスピードと価格の透明性を向上させています。

例: 一部の大手ブローカーや金融機関

リクイディティプロバイダー(LP)とFX業者の関係

リクイディティプロバイダー(LP)は、FX業者と密接に関係し、流動性を提供することで取引の円滑化を図ります。以下にリクイディティプロバイダーの役割、FX業者との関係性を紹介します。

リクイディティプロバイダーの価格提示とFXのスプレッド

リクイディティプロバイダーは、FX業者にリアルタイムの価格情報を提供、FX業者は複数のLPから得た価格を基にスプレッドを設定します。これにより、FX業者は顧客に最新の市場価格を提供することができます。

リクイディティプロバイダーの価格提示とFXのスプレッド

FX業者の注文執行プロセス

顧客がFX業者で注文を出すと、その注文はリクイディティプロバイダーを通じて市場に送信され、迅速に執行されます。

ただし、FX業者がすべての注文をLPに送信するかどうかは、FX業者のビジネスモデルによって異なります。以下に一般的なビジネスモデルと、それぞれの注文執行の方法を説明します。

STP/ECN方式

STP/ECN業者は、顧客の注文を直接リクイディティプロバイダーに送信し、リクイディティプロバイダーが市場で売買を実行します。

FX業者は顧客と対立することなく、透明な価格形成が行われます。

  • STP方式
  • FX業者の注文執行プロセス-STP


  • ECN方式
  • FX業者の注文執行プロセス-ECN

    マーケットメイク方式

    マーケットメーカー(FX業者)は、顧客の注文を内部で処理し、リクイディティプロバイダーとして機能します。顧客の注文は市場に送信されず、業者自身が売買の相手となります。

    業者は顧客の取引から得られるスプレッドを利益とし、市場でのリスクをヘッジすることもあります。

    FX業者の注文執行プロセス-マーケットメイク方式

    ハイブリッド方式

    一部のFX業者は、STP/ECNとマーケットメイクの両方の取引方式を組み合わせたハイブリッド方式を採用しています。

    取引条件や取引量に応じて、注文をリクイディティプロバイダーに送信するか、内部で処理するかを判断します。
    FX業者の注文執行プロセス-ハイブリット

    FX業者がリクイディティプロバイダーを選ぶ基準

    FX業者がリクイディティプロバイダーを選ぶ際に重視するポイントが3つあります。

    1. 流動性の深さ
    2. 価格の競争力
    3. 注文執行の速度と品質

    流動性の深さ

    流動性が深いほど、価格が安定しやすく、スプレッドが狭くなります。これにより、顧客にとって有利な取引環境が整います。

    POINT

    LPの流動性が浅い場合、スリッページや広いスプレッドが発生しやすく、価格が不安定で注文執行が遅れるため、取引コストやリスクが増大してしまいます。

    価格の競争力

    FX業者は複数のリクイディティプロバイダーの提示価格を比較し、最も競争力のあるLPを選ぶことで最適な価格を顧客に提供することできます。

    POINT

    複数のLPの提示価格を比較しない場合、他のFX業者がより有利な価格を提供している可能性があり自社の競争力が低下してしまいます。

    注文執行の速度と品質

    迅速かつ高品質な注文執行を提供するリクイディティプロバイダーはスリッページが少なく、顧客に安心感をもたらします。

    POINT

    注文執行の遅延やスリッページの増加は、顧客満足度の低下や競争力の喪失の可能性があり、FX業者にとって重大なリスクが生じてしまいます。

    女性講師2

    これらの基準をもとに、FX業者は顧客にとって最適な取引環境を提供できるよう、慎重にリクイディティプロバイダーを選んでいます。

    リクイディティプロバイダーは市場価格を安定させる

    リクイディティプロバイダーは市場価格を安定させる

    市場が急激に変動する際、リクイディティプロバイダーは市場の安定性を保つために重要な役割として、急激な変動や取引量の増加を処理、スプレッドの大幅な広がりを防ぎ、価格の安定を維持します。

    信頼性の高いリクイディティプロバイダーがいることで、FX業者は顧客に安定した取引環境を提供することができます。

    リクイディティプロバイダーを兼ね備えたFXブローカー

    自社で流動性を提供しながら、顧客にサービスを提供するブローカーは、トレーダーに優れた取引環境を提供することができます。以下にリクイディティプロバイダーとFX業者が合体したようなブローカーを紹介します。

    XTX Markets

    XTX Marketsは、ロンドンに本拠を置く非銀行系のリクイディティプロバイダーで、アルゴリズム取引と超高速取引に特化しています。

    主にFXや株式市場で活動し、最新のテクノロジーを駆使して高い透明性と効率性を実現、独自の流動性を提供し取引コストを削減しています。その革新的なアプローチで金融業界から高い評価を得ています。

    LMAX Exchange

    LMAX Exchangeは、ロンドンに拠点を置くECNで、透明性と公平性を重視した取引環境を提供するプラットフォームです。

    主にFXと仮想通貨市場で活動し、グローバルな流動性と超低遅延を実現、中央集権的な注文簿を用いてすべてのトレーダーに同一の価格と執行条件を提供しています。また、FCAの規制下で運営されており、信頼性と安全性を確保しています。

    Finalto(旧:CFH Clearing)

    Finaltoは、機関投資家やブローカー向けにFXや株式などの多様な資産クラスにわたる高度な流動性ソリューションを提供しています。

    複数のトップティアのリクイディティプロバイダーと連携し、競争力のある価格と狭いスプレッドを実現しています。また、信頼性と透明性を兼ね備え、世界中の金融市場で高く評価されています。

    XS.com

    XS.comは、FXおよびマルチアセット取引に特化したグローバルなリクイディティプロバイダー兼ブローカーです。複数の流動性ソースを統合し、競争力のある価格と透明性の高い取引環境を提供しています。

    最先端のテクノロジーで超低遅延取引を実現し、個人投資家から機関投資家まで幅広いトレーダーに対応しています。

    XS.com
    公式HPはこちら

    Tradeview

    TRADEVIEWは、ニューヨークに拠点を置くFX、CFD、株、コモディティなど多様な資産クラスを提供するグローバルなリクイディティプロバイダー兼ブローカーです。STP方式を採用し、透明性の高い取引環境を提供しています。

    複数のリクイディティプロバイダーと提携し、狭いスプレッドの提供と迅速な注文執行を実現しています。また、テクノロジーに強みを持ち、プロトレーダーや機関投資家から高く評価をされています。

    TRADEVIEW
    公式HPはこちら

    リクイディティプロバイダー(LP)についてよくある質問(FAQ)

    FAQアイキャッチ

    リクイディティプロバイダー(LP)に関するよくある質問をまとめているので参考にしてください。

    リクイディティプロバイダー(LP)とは何ですか?

    リクイディティプロバイダー(LP)とは、流動性プロバイダーとも呼ばれ、売り手と買い手を結びつける役割を果たす企業や機関です。

    リクイディティプロバイダー(LP)の主な役割は何ですか?

    LPは、金融市場に流動性を供給し、価格変動を抑えることで市場の安定性を保ち、取引コストを低減します。これにより、トレーダーは迅速かつ効率的に取引をすることができます。

    FX業者がリクイディティプロバイダー(LP)を選ぶ基準は何ですか?

    FX業者は、約定力や流動性、取引コスト、技術サポート、信頼性を重視します。具体的には、約定スピードやスリッページの少なさ、競争力のあるスプレッドが重要で、安定した金融機関としての実績も評価します。

    リクイディティプロバイダー(LP)が提示するレートはどのように決定されますか?

    LPが提示するレートは、市場の需給に基づいて行われます。他のLPから価格情報を集め、最良の買値と売値を算出します。

    リクイディティプロバイダー(LP)が欠如した場合どのような影響がありますか?

    LPが欠如する場合、金融市場は流動性が低下し、取引が成立しにくくなります。需給のバランスが崩れ、価格変動が激しくなり、スプレッドが広がるため取引コストが増加します。結果、トレーダーは不利な条件で取引を行うことになってしまいます。



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