海外FXを利用しているとよくThe Financial Commissionというワードを耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、実際に「Financial Commission」や「外部紛争解決(ADR)機関」について詳しく把握していない方も多いかと思います。
この記事ではThe Financial Commissionについて詳しく解説しています。
Financial Commission加入が海外FX業者の安全性を示す1つの目安になるのか、さらに、トラブルの際に役立つ補償手順や加入しているFX業者などについてまとめています。
The Financial Commissionとは?
The Financial Commission(ファイナンシャルコミッション)とは、2013年に設立された紛争解決を専門とする独立機関で、外国為替(海外FX)やCFD取引などFX業者とトレーダー間の紛争解決を中立的な立場で調査し、公正な解決をサポートする機関です。
運営会社 | FINACOM PLC LTD |
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公式HP | https://financialcommission.org/ |
運営歴 | 2013年~ |
本部所在地 | 香港 |
お問い合わせ方法 | 公式サイトのお問合せフォーム |
日本語サポート | なし |
最大補償額 | 申し立て1件につき20,000ユーロ(約300万円) |
備考 |
・50を超える金融ブローカーが加入
・特定の政府機関や国際的な金融規制当局から独立した機関 ・機関のメンバーは元金融ブローカーや金融取引経験が豊富 ・2023年だけで2,100件以上の苦情を解決し、783,000ドル以上の補償金支払い実績 ・50を超える金融ブローカーが加入
・特定の政府機関や国際的な 金融規制当局から独立した機関 ・2023年だけで2,100件以上の 苦情を解決し、783,000ドル以上の補償金支払い実績 |
解決した苦情内容や補償内容は四半期ごとにレポートで公開しているので運営の透明性、公平性が高いと考えられます。
お問い合わせ方法と対応言語について
お問い合わせは公式サイトの専用フォームまた苦情申し立て専用フォームの2通りになります。
Financial Commissionは日本語には対応していない為、連絡する際はお問い合わせ内容を英語に翻訳する必要があります。
Google翻訳などを利用して問い合わせしますが、結局ネイティブではないので中々意思が疎通出来ないことがあります。
Financial Commissionのライセンスは?
各政府または、金融規制当局が発行しているライセンスや資格は取得していません。
独自の基準とプロセスを通じて金融自主規制機関および外部紛争解決機関として運営されています。
Financial Commissionの補償は?
金融取引で発生する紛争解決を目的として、Financial Commissionの裁定に基づき独自に運営する補償基金から最大20,000ユーロ(日本円で約300万円)まで補償されます。
Financial Commissionの補償はFX取引で発生した損失を補償するものではありません。あくまでFX業者とトレーダー間の紛争解決を目的としています。
The Financial Commissionに加入していれば信頼できる?
Financial Commissionに加入することでFX業者の信頼性は高まると評価できます。
理由として、Financial Commissionは紛争解決機関として高い能力と実績を持っている為です。
公式サイトで公開してる内容では、2023年だけで2,100件以上の苦情を平均5日以内に解決し、783,000ドル以上の補償金を支払った実績があります。
また、裁決内容は四半期ごとにレポートにして公開されているので、透明性を持った運営が行われていると評価できます。
したがって、FX取引時に問題が発生した場合でも、Financial Commission加入FX業者なら、迅速かつ公正な解決を期待することができます。
他の規制機関や監督機関と比べて信頼性や運営実績が不足しているという見解もあります。
様々な観点から自分で安全性を判断することで、安全なFX業者を選ぶことができます。
The Financial Commissionに加入しているFX業者一覧
IC Marketsや、Exnessなど世界中で高い評価を受ける海外FX業者もFinancial Commissionに加入していて、50を超える多くの金融ブローカーがFinancial Commissionに加入しています。
Financial Commissionに加入している代表的なFX業者は以下の通りです。
加入しているブローカーについては、Financial Commissionのホームページにて確認することができます。
The Financial Commission による補償手順
Financial Commissionによる調査、補償までの流れは以下の通りです。
- 専用フォームから苦情の申し立てを行う
- Financial Commissionによる調査
- 申し立てに対して裁決
- 補償金の支払い
FX業者とトレーダー間で発生した苦情、紛争はまずFX業者に直接申し立てする必要があります。
各FX業者に設置されているお問合せフォームまたは、サポートセンターまで申し立てを行い、解決しない場合はFinancial Commissionによる調査を依頼する流れとなります。
Financial Commissionへの申し立てはすべて無償で利用することができます。ただし、英語での対応となります。
Financial Commissionの専用フォームの記入例
Financial Commissionの専用フォームに必要事項を入力します。
専用フォームはすべて英語での入力となります。
- メールアドレスの入力は必須
- Financial Commission加入業者へのみ申し立て可能
- 申し立て内容はできるだけ多くの情報を入力(発生日時、問題の詳細など)
苦情の申し立て後の流れ
申し立てから、5営業日以内にFinancial Commissionによる調査が行われます。
なお、調査中に必要情報を要求される場合もあります。
要求されてから5日以内に情報を提供する必要があります。
※発生から45日以内以内に申し立てる必要があります。
裁決内容をFX業者、トレーダーに通達され、裁決に対し14日以内に返答を行います。
Financial Commissionの裁決に同意した場合、補償金をFX業者から支払われます。
もし、FX業者が支払いを拒否した場合はFinancial Commissionの補填基金から最大20,000ユーロ(日本円で約300万円)補填されます。
Financial Commissionへの申し立てはすべてのFX業者が対象ではありません。利用できるのは加入しているFX業者のみとなります。
The Financial Commission以外の安全性の見極め方
海外FX業者を利用する上で、熟練のトレーダーほど重視しているポイントが安全性や信頼性です。
しかし、一口に安全性や信頼性と言っても、1つの基準だけで安全か判断することはできません。
安全性を見極めるには以下の5つの基準を参考にすることができます。
- 金融ライセンスの有無
- 運営歴や実績、企業規模
- 資産保護の対策
- 過去のトラブル
- 日本語サポートの充実度
取得しているライセンスや運営規模、トラブルが発生した際のサポートの充実度など様々な観点からご自身で安全性を判断しなければいけません。
安全性の見極め方について以下の記事にて分かりやすく解説しています。利用する海外FX業者を選ぶ際にお役立てください。
The Financial Commissionについてよくある質問
The Financial Commissionに関するよくある質問をまとめているので参考にしてください。
The Financial Commissionに加入しているFX業者はどこですか?
加入しているFX業者は、Financial Commissionのホームページにて確認することができます。
The Financial Commissionに加入しているFX業者は安全ですか?
Financial Commission加入は安全性の見極める1つの基準として判断することをお勧めします。
The Financial Commissionは日本語対応していますか?
苦情申し立てフォームや、Financial Commissionへのお問い合わせはすべて英語での対応となります。
The Financial Commissionに加入していないFX業者は危険ですか?
Financial Commissionの加入以外にも安全性を見極める項目があり、1つの基準として判断することをお勧めします。
詳細については 先述したThe Financial Commission以外の安全性の見極め方をご参考ください。
The Financial Commissionに加入しているFX業者を利用する利点はありますか?
また、加入しているFX業者での取引なら、一定の信頼性が担保されている利点もあります。