FXのコピートレードとは、上手なFXトレーダーの取引を自分の口座にコピーしてトレードする手法で、コピトレとも呼ばれます。
本記事では、コピトレについて知りたい方に向けて、コピートレードの基礎知識や、コピトレで投資するメリット・デメリット、MAM/PAMM・EAとの違いを解説しています。
コピートレードとは?システムとお金の流れ
コピートレードとは、他のトレーダーの取引を自分の口座にコピーし、自動でFXトレードを行う投資手法です。コピー元のトレーダーが儲かれば、コピーしている側のトレーダーも儲かる取引手法ですが、逆もまた然りです。
具体的にどんな方法でコピトレが行われるのか、コピーする側、コピーされる側の双方の立場で解説していきます。
コピートレードとはどんな取引方法?
コピートレードでは、親口座の「注文/決済タイミング」を子口座に複製しトレードします。例えば、B・C・Dの3人がA(親)をフォローし、Aの取引を自分の口座にコピーした場合全トレーダーの各口座の注文&決済タイミングがほぼ同時になります。
ただし、実際にトレードを行っているのは親口座のA氏のみで、子口座のB氏、C氏、D氏は、A氏の取引を眺めているだけです。
コピトレは上手なトレーダーをフォローするだけという手軽さから、経験の浅い初心者や投資に専念できない方を中心に、海外での人気が高まっています。
コピートレードの親は3種類
コピートレードの親(プロバイダー)は、自分自身でトレードを行っている場合もありますが、EA(自動売買)で運用している場合もあり、以下の3種類に分けられます。
完全裁量型 | 親が全ての取引を自分で行う |
---|---|
半裁量型 | 親がEAで運用しているが、相場の状況によって稼働・停止したり、決済したりする |
完全EA型 | 親が自分の手で取引することはなく、完全にEAで運用している |
全てをEAで運用している場合、自分でEAを回すのと変わりないので、選ぶなら裁量取引型の親が良いですね。
コピートレードとミラートレードの違い
コピートレードと並んで、ミラートレードやソーシャルトレードという名称もありますが、これらは業者によって呼び方が異なっているだけで、トレード方法に大差はありません。
コピートレードもミラートレードも、自分で手を動かす必要がないという点では同じですね。
コピートレードの仕組み、プロバイダーとフォロワー
続いて、より具体的なコピートレードの仕組みを確認しましょう。コピートレードには以下2種類の立場のトレーダーが存在します。
- 取引シグナルを提供する側
(プロバイダー、配信者) - 取引シグナルをコピーする側
(フォロワー、投資家)
フォロワーがプロバイダーをフォローすることで双方の口座が紐付けられ、プロバイダーの取引シグナルがフォロワーの取引口座に反映されます。
- フォロワー:
取引をコピーさせてもらう代わりに、利益が出たら報酬をプロバイダーに支払う。 - プロバイダー:
取引をフォロワーにコピーさせてあげる代わりに、利益が出たら報酬を受け取る。
コピートレードのお金の流れ(手数料)
フォロワーとしてコピートレードを利用する場合、プロバイダーが利益をだせば、フォロワー自身も利益を得られますが、プロバイダーに成功報酬(手数料)を払う必要があります。
ここでは、利益が出た場合と損失が出た場合のお金の流れをそれぞれ確認して、コピートレードというシステムがどのように運営されているのか見ていきましょう。
コピートレードで利益が出た場合
コピートレードでは、プロバイダーは取引利益を全額獲得できますが、フォロワーの場合はプロバイダーへの成功報酬が手数料として引かれるので、利益額はその分少なくなります。
多くの場合、成功報酬は「その取引で得た利益の〇〇%」と定められており、その割合は業者やプロバイダーによって異なります。
なお、FX業者は取引毎にスプレッドを双方から徴収して収入源としているので、基本的にFX業者がコピートレード使用料を別途請求することはありません。
例外的に、サブスクリプション(定額制)方式を採用している業者もあります。
コピートレードで損失が出た場合
コピートレードで損失が出た場合、当然フォローしている側もプロバイダー同様に損失を被ります。
この場合、プロバイダーへの報酬は請求されず、純粋に取引で発生した損失分のみが双方の口座から減額されます。
- コピトレで利益を得た場合、その利益からプロバイダーへの成功報酬が差し引かれる。
- 取引で負けてしまった場合は、報酬を払う必要はない。
- システムを提供するFX業者は、双方からスプレッドを徴収することで収益を得ている。
国内FXのプロバイダーは報酬を得られない
国内FXのコピートレードでは、プロバイダーは報酬を受け取れません。
日本国内でコピートレードを提供する場合、金融庁の定める「投資助言・代理業者」の資格が必要になり、多くのプロバイダー(個人トレーダー)はこの資格を所持していないためです。
プロバイダーには、国内FX業者で取引シグナルを提供するメリットがほぼない状態なので、優秀な日本人プロバイダーは海外FX業者で配信しているようです。
コピートレードのメリット
コピートレードは、好きなトレーダーを選択するだけで取引が行える手軽さが一番のメリットです。自分で裁量取引を行う場合に比べて、メンタル面での負担も和らぐでしょう。
また、プロバイダーの取引履歴は全て確認することができるため、新米トレーダーは高成績のプロバイダーをフォローして、取引方法の勉強にも役立てられます。
- 上手なトレーダーをフォローして取引をコピーできるので利益を出せる可能性が高い
- プロバイダーを選ぶだけなので自分で取引する時間がなくてもOK
- システムトレード(EA)と異なり急な相場変動でもプロバイダーが裁量で対応可能
- フォロワー側の判断で決済したりコピーを停止できる
- 感情に左右されずに取引ができる
- 優秀なトレーダーをフォローし取引方法を見て勉強することができる
- プロバイダーをフォローする楽しさがある
- VPS不要で初期費用が安く、手軽に始められる
MAM・PAMMのように契約期間に縛られず、EAのように機械的なプログラミングに頼るのでもない。コピトレはまさにいいとこどりですね。
自分で取引する時間がなくても取引できる
コピートレードは、プロFXトレーダーをフォローし、取引を自分の口座にコピーする手法なので、自分で取引する時間がない方でも気軽にトレードに参加できます。
プロバイダーを選び、フォローしてしまえば、注文や決済のタイミングを逃すこともなく、常にチャートに張り付いている必要もありません。
自分の判断で決済や取引停止ができる
コピトレは、フォロワーとなってプロバイダーの取引をコピーし、トレードの状況を眺めているのが基本ですが、自分のタイミングで決済や取引停止ができます。
下で解説している「MAMやPAMM」の場合、契約期間中は、決済も取引停止もできないので、自分の判断で取引に関与できるのは、コピトレの大きなメリットと言えます。
EAより柔軟な取引が可能
コピートレードはEA(自動売買プログラム)ではなく、生身のトレーダーをフォローし、取引を自身の口座に反映させるため、不安定な相場にも臨機応変に対応してもらえます。
相場が急落した場合、プロバイダーによって損失が最小限に抑えられるのは、EAにはないメリットです。
コピートレードのデメリット
コピートレードには魅力的なメリットが多い一方、問題点もあります。
例えば、業者によっては誰でもプロバイダーになれてしまうため、プロバイダー選びに失敗すると簡単に負けてしまう恐れがあります。
コピートレードにおいて、プロバイダー選びは最重要ですが、よいプロバイダーをフォローするのは簡単なことではありません。
- プロバイダーの調子に左右される
- プロバイダーの実力を事前に判断するのは難しい
- 成功報酬が引かれるので利益がその分小さくなる
- コピーにタイムラグが出る場合もある
- 実践力や知識は身に付きにくくなる
ギャンブル的に楽しむのではなく、コピトレできちんと利益を出すためには、時間をかけて優秀なプロバイダーをフォローする必要があります。
プロバイダーの実力が事前に判断できない
コピートレードは、プロバイダー選びが全てですが、いくらプロバイダーの成績を見たところで、実際にその配信者がどのように取引していくかはフォローするまで分かりません。
過去に好成績を上げているからといって、この先も勝ち続ける保証はないので、プロバイダー選びは慎重に行ってください。
成功報酬が手数料として利益から引かれる
ほとんどの場合、コピートレードを利用する際の手数料はプロバイダーに支払う成功報酬のみです。
ただし、成功報酬はプロバイダーによって異なり、利益の0%から60%と様々ですので、配信者をフォローする際は、事前に確認しておきましょう。
コピートレードとMAM・PAMM、EAとの違いは?
コピートレードと同様に、放っておくだけで利益を出せる可能性がある取引方法として、MAM(マム)やPAMM(パム)、また、EAやシストレ等の自動売買があります。
投資者が自分で取引する必要がない面は共通ですが、コピートレードとMAM・PAMMは異なる性質も多いので整理しましょう。
そもそもFXのMAM・PAMMとは?
- MAMとは「Multi Account Manager」の略で、プロトレーダーに運用を委託する手法。取引履歴を確認できる。
- PAMMとは「Percentage Allocation Management Module」ので、プロトレーダーに運用を委託する手法。損益の結果のみ確認できる。
MAM・PAMMとの違いは3点
コピートレードと混同されることが多いMAM・PAMMですが、コピートレードとMAM・PAMMには主に以下3点違いがあります。
- 根本的な取引方法が違う
- 取引に関与できる度合いが違う
- 投資額の自由度が違う
コピートレードとMAM・PAMMは混同すると、大きな不利益となる可能性もあるため、相違点を3つを以下で解説します。
根本的な取引方法の違い
そもそも、コピートレードとMAM・PAMMでは根本的な概念が異なります。
「コピートレードは取引の複製」ですが、「MAM・PAMMは取引の委託」です。
コピートレードの取引方法
コピートレードは、プロバイダーがプロバイダー自身の口座で取引し、それを信号化してフォロワーの口座に反映させるだけです。
つまり、プロバイダー的には通常通り取引を行って、その取引内容が自動的にフォローしている他の人の口座にも反映されている、といった感覚です。
MAM・PAMMの取引方法
一方、MAM・PAMMとは、複数の投資者がプロトレーダーに資金を託して、自分の代わりに取引してもらうトレード手法なので、投資信託のイメージに近くなります。
MAM・PAMMで投資者に代わって取引するのは、FX業者に雇用されているプロトレーダーが多いですが、依頼者のお金を預かるという性質上、お金を狙う偽物トレーダーが潜む可能性に注意しなければなりません。
トレーダーが取引に関与できる度合いの違い
コピートレードもMAM・PAMMも、トレーダーがプロバイダーに取引を任せる形になりますが、取引に関与できる度合いはコピートレードの方が圧倒的に高いです。
コピートレードはトレーダーの判断でいつでも取引を止められる
一般的に、コピートレードでは、フォロワーが自分でポジションを決済して出金することができる上に、いつでもフォローしている側の判断で自由にコピーを止めることが可能です。
MAM・PAMMは契約期間中のコピー停止ができない
MAM・PAMMにはロックアップ期間(最低1ヵ月~)という契約期間が設定されており、この期間中、投資者は運用を停止することができず、決済や出金も一切行えません。
もし万一取引を任せた相手が悲惨なトレードを行った場合、コピートレードであれば投資者が自分の意志で取引を止められますが、MAM・PAMMの場合は、取引を途中で止めることはできません。
投資額の自由度の違い
コピートレードの投資額はフォロワー自身で決定できる一方、MAM・PAMMではプロトレーダーに決定権がある場合が多いため、投資額の自由度が大きく異なります。
コピートレードは自分の判断で投資額を決められる
コピートレードでは、プロバイダーから取引に必要な証拠金額を指定されることは基本的にありません。
(推奨証拠金額が提示されている場合もあります)
そのため、自分の資金力に応じて無理なく投資額を設定することが可能です。
MAM・PAMMには投資額の指定がある
MAM・PAMMの場合、証拠金額は予めプロトレーダーから指定されることが多く、比較的高額な資金が必要となります。
EAやシストレ(自動売買)との違いは人間かプログラムか
EAやシストレ等の自動売買とコピートレードの最大の違いは、取引の親が「プロバイダー(実在するトレーダー)」か「事前にプログラミングされたシステム」かです。
コピートレードではプロバイダーの取引をコピーして、利益が出た時にだけ成功報酬を支払う形になりますが、EAを利用する場合、目的に応じたEAの購入とVPSの月額契約・設定が必要です。
EAの値段には幅があり、無料のものから数十万するものまで様々です。
長期的に安定して勝てるEAはまず見つからないので、システムを組み合わせてリスクを減らしたり、EAを使うタイミングを厳選したりと、自分なりの工夫が必要になります。
コピートレードに関するよくある質問(FAQ)
コピートレードとは何ですか?
コピートレードの仕組みはどのようなものですか?
コピートレードのメリットは何ですか?
コピートレードのデメリットは何ですか?
コピートレードのフォローコストはいくらですか?
コピートレードを使える業者はどこですか?
コピートレードを使える業者は、ExnessやHFM(HotForex)、TTCM(TradersTrust)、IronFX等、複数有ります。
コピートレードのプロバイダーはどのように選べばよいですか?
コピートレードで複数のプロバイダーを同時にフォローすることは可能ですか?
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