最近SNSでも話題になるプロップファームですが、「プロップファームって一体何?」と思っている方も多いのではないでしょうか?ネット上の情報も少なく、気にはなるけどイマイチ把握できませんよね。
そこで、本記事では、実際にプロップファームに登録して、利用している筆者がプロップファームの仕組みや報酬体系について分かりやすく解説します。プロップファームの理解に役立つ基礎的な情報を共有するので、参考にしてください。
プロップファームとは?仕組みや背景
「プロップファーム」とは、FXや株式取引などで個人トレーダーに資金を提供し、取引させる企業です。トレーダーが条件を満たすと利益の一部を還元するビジネスモデルを採用しています。
具体的には、プロップファームがトレーダーに資金を提供し、利益が出た場合はその一部を受け取り、残りをトレーダーに分配します。損失が出た場合は、プロップファームが負担することが多いです。
この仕組みは、トレーダーが自分の資金をリスクにさらさず取引できるため、初心者や経験の浅いトレーダーにも魅力的です。
プロップファームの仕組み
プロップファームは、自社が認定したトレーダーに自社の資金を提供して運用してもらう仕組みになっています。
ただし、自社の資金をトレーダーに預けるため、誰にでも資金を提供するわけではありません。プロップファームが定めた認定試験をクリアしたトレーダーだけが資金提供の対象です。
チャレンジはプロップファームの認定試験
プロップファームのチャレンジとは、プロップトレーダーになるための認定試験で、購入して参加します。
チャレンジでは、通常、チャレンジ用のデモ口座で一定期間内に規定の利益を上げることが求められます。
プロップトレーダーはプロップファームの認定トレーダー
プロップトレーダーは、チャレンジをクリアしたトレーダーのことで、プロップファームが認定したプロトレーダーのことを指します。
プロップトレーダーになったトレーダーは、プロップファームから資金提供を受けて取引することができます。
プロップファームの歴史と背景
プロップファームの仕組みは、1980年代にアメリカで始まりました。
当時のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の会員であったトレーダーが、他のCME会員に資金を提供し、グループを形成していったことがプロップファームの始まりとされています。
なお、実際にプロップトレードが世に広まったのは、90年代後半にコンピューターを使った電子取引システムが普及してからです。
プロップファームの報酬体系
プロップファームでは、トレーダーが取引によって得た利益の一部を報酬として払い出すので、基本的には完全歩合制になっています。
例えば、プロップファームがトレーダーに1,000万円の資金を提供し、そのトレーダーが月間10%の利益を上げた場合、100万円の利益が生じます。この利益を企業とトレーダーで分配します。
プロップファームの報酬の割合
業者によって異なりますが、報酬割合は50%~80%が主流です。
また、同一業者の中にも複数のチャレンジがあり、選択したチャレンジによって報酬割合が異なる業者もあります。
項目 | Profitex | Fintokei | Super Funded |
---|---|---|---|
報酬の割合 | 80% | 50%~95% | 70~90% |
報酬の出金タイミングと方法
報酬は業者によって異なりますが、大抵の場合、2週間に1度出金できます。
また、出金方法は銀行送金と仮想通貨がメインとなっています。
項目 | Profitex | Fintokei | Super Funded |
---|---|---|---|
出金間隔 | 15日 | 14日 | |
出金方法 | 銀行送金・仮想通貨 |
プロップファームのやり方
プロップファームから資金提供を受けるには、チャレンジを購入し、条件を達成する必要があります。
なお、基本的に出金時までは本人確認の必要がないので、チャレンジの購入や個人情報の登録など、数ステップで開始できます。
チャレンジの購入
プロップファームのチャレンジを購入するには、業者の公式サイトからチャレンジを選択して、決済するだけです。
大抵の業者では、クレジットカードや仮想通貨が主流であり、銀行送金などの他の支払方法に対応している業者は多くありません。
なお、チャレンジを購入した時点で、プロップファームへの登録が完了します。
会員ページやMT4/MT5へのログインIDとパスワードは、登録したメールアドレスに届きます。
チャレンジの達成
チャレンジ口座で利益目標を達成すると、チャレンジ達成となります。
業者によって異なりますが、利益目標は大抵の場合、8%~10%となっています。
チャレンジのルールとして、最低取引日数や最大ドローダウンが設定されています。
資金提供を受けて取引を始める
チャレンジを達成すると、プロップトレーダーとして資金提供口座で取引できるようになります。
なお、提供される資金額は、チャレンジ口座の初期資金と同額です。
仮にチャレンジに失敗しても、再度チャレンジを購入すれば何度でも挑戦できます。
- チャレンジに失敗した場合、チャレンジの購入代金は返金されません
プロップファームの将来展望 | 日本と海外での違い
日本では、まだまだ認知度が低いプロップファームですが、アメリカをはじめ海外では、多くのプロップファームが設立され、急速に規模が拡大しています。
日本での動向
日本では、プロップファームとしてサービスを提供している会社も少なく、ウェブ検索による情報も乏しいのが現状です。
ただし、プロップファーム市場が日本で拡大する可能性は大いにあります。
なぜなら、日本の投資家人口が増加する一方、資金不足に悩んでいるトレーダーは少なくなく、十分な取引環境と豊富な資金を入手できるのは他にない魅力だからです。
海外での動向
海外では、プロップファームはすでに67億ドルの規模に達しており、さらに2021年から2028年にかけて、年平均4.2%の成長が見込まれています。
今後の規模拡大に合わせて、社内トレーニング、外部コース、メンター制度など、教育コンテンツの充実によって、プロップファームはさらに多くの人々に受け入れられるでしょう。